収まりの良いアッパーと、弾むようなスピード感。NIKE《ZOOM FLY 4》
『ターザン』編集部員が本気で気になったアイテムを紹介する連載「編集部のみっけもん―EDITOR`S CHOICE」。今回はNIKEの《ZOOM FLY 4》。
photo: Tomoo Ogawa text: Tarzan
初出『Tarzan』No.821・2021年10月21日発売
足を確実にホールドしてくれる
新しい発見を求めて神保町に行けば古本屋巡りを欠かさないように、〈NIKE(ナイキ)〉の新作は都度チェックしている。本誌820号のランニング特集をきっかけに、ランを本格スタートした自分にとっては、履かない理由が見つからない。そんなシューズが、2年ぶりにアップデートされた《ZOOM FLY(ズームフライ)》の新作。
普段は黒やネイビーといったシックなギアにしか手を出さないが、蛍光イエローに配された、他のどのシューズよりも控えめな〈NIKE〉のロゴに心を摑まれた。
ZOOM FLY 4
シューズは特に“安定感”を重視する自分にとって、ニットアッパーは走行中に起こる“足のズレ”という点で敬遠していたけれど、ブランドの誇る新形状ニット素材「Flyknit」を使ったアッパーはぴたりと収まりがよく、足を確実にホールドしてくれる。
かといって足入れが窮屈なわけでもないので、不思議な感覚だ。雨天には向かないかもしれないが、裸足で駆けているような錯覚を起こさせる通気性の良さは、距離が延びるほど心強く感じた。
体感としては普段と同じペース配分で走っているつもりでも、キロ当たり10秒ほど速くなる。弾むようなスピード感を実現しているのは、反発力に優れたクッショニング技術「Nike Reactフォーム」の賜物。
加えてカーボンファイバープレートをその間にサンドイッチしているのだから、推進力は言わずもがな。延期された東京マラソンに向けて、このシューズでサブ4を目指したい。