股関節に力を入れれば、 カラダのポジションを保てる。
柔道家として活躍するも、夢だった世界一には届かず、その思いを果たすために総合格闘家へと転身したのが渡辺華奈選手。RIZINで無敗記録を継続し、今年、本場アメリカのBellator MMAに参戦。そんな彼女は「格闘家にとって、股関節は最も重要です」と話し始めた。
「股関節の可動域が狭いと、違う部分に負担がかかります。股関節が動かないぶんを、足首で補ったり、腰や膝を余分に稼働させたり。これがケガに繋がる。だから、まずは柔軟性を高めることが大事ですね」
格闘技は、まさに力と力のぶつかり合いである。そして、その力の源泉となっているのも股関節だという。
「相手を引き込む、相手に押される、ぶつかり合う。そんな瞬間でも股関節に力を入れれば、しっかりとしたカラダのポジショニングを保っていられる。この出力が小さいと相手にいいようにやられてしまうんです」
総合格闘技の戦い方は無限である。相手の出方次第では、自分が想像もしていなかった展開になることも多いはずだ。そして、そんなときに頼れるのは、自分のカラダしかない。
「だから、日々のトレーニングが大切。トレーナーさんには、カラダの使い方に注意しながら指導してもらっています。たとえば、スクワットでも、股関節が使えていないと、そのぶん膝が前に出て運動効果は低くなるし、ケガに繫がることもある。股関節まわりを強化したいのに、これではどうしようもない。今年、33歳になるので時間はあまり残されていません。効率よくトレーニングを行い、海外の強い選手たちと戦って、世界一を目指していきたいです」