座りながらにして血行を促進!? ハーマンミラーの《エンボディチェア》|フィットネスの新・名品図鑑
知識と審美眼を持つ7名のご意見番と、『ターザン』の編集・ライター陣がフィットネスの「新・名品」を選定! トレーニング器具をメインに、カラダの基礎を作るうえで欠かせないライフスタイル用品まで、幅広いジャンルの商品をピックアップ。今回紹介するのは、ベストな姿勢に調整してくれる〈ハーマンミラー〉のチェア。
photos: Yoshio Kato styling: Takeshi Toyoshima illustration: Yoshifumi Takeda text: Ryo Ishii, Fumihito Kouzu, Kyosuke Nitta, Keiichiro Miyata 新・名品選定委員会/荒金大典、井上健二、齊藤邦秀、土井地博、豊島猛、美才治真澄、三浦香織
初出『Tarzan』No.808・2021年4月8日発売
座り過ぎによる弊害を防ぎ、血行まで促進。
現代人は起きている間の約3分の2を座って過ごしているという。もはや椅子選びはベッドと同じか、それ以上にカラダ作りにおいて大事なもの。リモートワークが多くなった最近は尚更だ。自宅のワークチェアを見直すなら今が好機。
機能とデザインの2軸で考えて間違いなく〈ハーマンミラー〉が最高峰だが、なかでも椅子の常識を打ち破ったのが《エンボディチェア》。生体力学、視覚、理学療法、人間工学の分野における20名以上の医師や学者の知見を結集し、これまで弊害が多いとされてきた“座り過ぎ”を、むしろ血行を促進させるプラスの効果に変えてしまった。
シートと背もたれの骨組みに採用されたダイナミックな“ピクセル構造”は未だどこも真似することができない革新的な技術。座った人のわずかな動きに順応することで即時に体圧を分散し、この椅子に座ると心拍数が低くなるというちょっとオカルトなデータも。
体型問わず、背骨のカーブラインに沿う背もたれは、カラダと結合したかのように体勢を変えるたびベストな骨組みの形状に自動調整し、常に仙骨と骨盤をサポート。人が最もストレスを感じない直立時と同じバランスの座り姿勢を常にキープし続ける。
2008年の誕生以来、人間工学の研究結果が更新されるたびにアップデートを繰り返すなど、確固たる地位を確立しながら驕りのない姿勢にも胸熱。まさに不朽の名作といえる。