コンディショニングに効く天然サプリメント。公認スポーツ栄養士おすすめの、アーモンド(アーモンドミルク)活用術とは。

抗酸化作用の高いビタミンEや食物繊維など高い栄養価があることで知られ、運動や筋トレをする人からも注目を集めているアーモンド。効果や上手な取り入れ方を、公認スポーツ栄養士の伊藤あゆみさんに教えてもらった。

text:Aya Shigenobu photo:Ryosuke Hoshina

アーモンドは運動をする人やアスリートの心強いサポーター。

ビタミンや食物繊維など栄養素が豊富で、ヘルシーな食べ物としてのイメージも強いアーモンド。また、近年はアーモンドと水から作られるアーモンドミルクが、コーヒーショップのカスタムアイテムに仲間入りしたり、コンビニエンスストアで販売されるなど、愛飲者が増えている。

実際、アーモンドとアーモンドミルクにはどんな栄養素が含まれ、どんな働きが期待できるのか? その魅力を、公認スポーツ栄養士としてさまざまなアスリートの栄養サポートを行う伊藤あゆみさんに教えてもらった。

写真は生のアーモンド。「天然のサプリメント」とも呼ばれる。

アーモンドミルク

アーモンドミルクは液状だから、粒のアーモンドよりも、栄養の吸収率がいい。

「アーモンドの大きな特徴は、まず、抗酸化作用の高いビタミンEが豊富で、食物繊維もたっぷり。オレイン酸という不飽和脂肪酸も多く含まれており、LDL(悪玉)コレステロールの抑制や血液中の脂質コントロールに効果があると言われています。

スポーツのシーンでいうと、トレーニングや練習をする際にたくさん酸素を取り込むことで活性酸素が生まれるため、抗酸化作用が期待できるビタミンEを摂ることはおすすめです。紫外線の強い時期に、屋外でトレーニングや運動をする機会が多い人は、より活性酸素によるダメージが発生しやすくなってきますしね。少量でもハイカロリーなエネルギー補給ができる食品の一つで、たとえば山を歩いたり、長時間のトレーニングといった、おにぎりなどを食べるのが難しい時の選択肢としてもいいと思います。

また、仕事の中で、糖質制限や脂質制限を当たり前にやった方がいいと思い、ストイックにセーブしているダンサーたちを多く目にします。ビタミンEは植物脂など脂質の多いものに含まれており、脂質がある程度摂れている人の方が効率よく摂取できるという特徴があるため、極端な脂質カットをしている人たちはビタミンEが不足しがち。そういう方には、アーモンドそのものより低脂質なアーモンドミルクでビタミンEを摂ることをすすめたいです」

摂り方とタイミングが重要。アレンジもさまざま。

栄養価の高いアーモンドは魅力的。でも、だからといって食べれば食べるほどカラダにいい、というわけではない。

「アーモンドに限らず、摂る量やタイミングを間違えてしまうとパフォーマンスに影響が出ることもあるので、注意が必要です。例えば、トレーニングや練習の直前にたくさん食べると、食物繊維や脂が多いため、運動中という内臓の働きが落ちやすい条件下では、消化不良やガス溜まりの原因になることもあります。

アーモンドミルクのスムージー

凍らせたバナナをアーモンドミルクと撹拌するだけでスムージーの出来上がり。
〈nutribullet FLEX〉ホワイト 11,980円(デロンギ・ジャパン お客様サポートセンター 0120-804-280)

おすすめのタイミングとしては朝。ヨーグルトにアーモンドをトッピングしたり、グラノーラにアーモンドミルクをかけるのもいいでしょう。ミルク代わりにコーヒーに入れても美味しいです。もし、運動の前後の補食として取り入れたい場合は、バナナとアーモンドミルクをミキサーにかけてスムージーのようにするなど、消化のことを考えて工夫してみてください。加熱することで働きが失われる栄養素はないので、かぼちゃのスープやじゃがいものポタージュなどのベースにアーモンドミルクを使うのもいいと思います。

コーヒーにも合うアーモンドミルク

今やコーヒーチェーン店でもアーモンドミルクがチョイスできる時代だ。

アーモンド以外の食材で言うと、カボチャなどの緑黄色野菜や、ホウレンソウのような青菜からもビタミンEを摂ることができます。ただ、十分な量を食べるのは、スケジュールの忙しさなど、さまざまな理由で難しかったりもしますから。手軽に摂れるという点も、アーモンドミルクのメリットだと思います。

緑黄色野菜

また、プロテインを牛乳で割る人も結構いますが、タンパク質含有量の多いプロテインの場合、一度に大量のタンパク質を摂り過ぎてしまう可能性もあるので、牛乳の代わりにアーモンドミルクで割ることはおすすめしたいです」

健康習慣の一つとしてアーモンドミルクを取り入れよう。

ちなみに、世界のアーモンドの生産量の約8割が、アメリカのカリフォルニア州で生産されている。現地には、アーモンドに関する研究にも携わってきた、アンドリュー・モックという医師がいる。彼は、主に植物性食品を中心とした食生活を送りながら、世界屈指の力を競う競技「ストロングマン」にも出場。今年、「カリフォルニア・ストロンゲストマン」で5度目の優勝を果たした。自らの経験をもとに、より健康的な食生活への見直しの一環として、アーモンド、そしてアーモンドミルクを取り入れるメリットを提唱している。

カリフォルニアのアーモンドの木

カリフォルニアは世界でも圧倒的シェアNo.1のアーモンド生産地。

アンドリュー・モック医師

アンドリュー・モック医師(MD、MPH、FACLM、DipABLM、DABPM、DABFM、ABOM) ホーグ・メディカル・グループ「コンパス・ライフスタイル医学プログラム」メディカルディレクター 米国ライフスタイル医学会「オンライン・ライフスタイル医学専門医フェローシップ」プログラムディレクター

モック先生によると、アーモンドやナッツには、より良質な脂質の組み合わせや食物繊維に加え、抗炎症作用などを通じて血管の健康を支える植物由来成分が含まれている。肉から摂る飽和脂肪の一部をアーモンドやその他のナッツに置き換えることで、コレステロール値の改善も期待できるという。

アーモンドは、木の実の中でもトップクラスの食物繊維を含み、モック先生自身も、砕いたアーモンドなどのナッツや種子をプロテインシェイクに加えるほか、朝食には、アーモンドミルクなどの植物性ミルクに一晩浸したオーツ麦を、ミックスナッツや種子とともに食べることが多いという。

さらに、低カロリーの無糖アーモンドミルクは、飽和脂肪の多い牛乳からの置き換えとして、減量時にも活用しやすいと話す。

大切なのは、健康習慣の一つとして継続的に取り入れること。小さな習慣でも、若いうちから続けることで、その効果は時間とともに積み重なり、年齢を重ねたときの健康を守ることにつながると考えている。

教えてくれた人

伊藤あゆみ(いとう・あゆみ)/管理栄養士。日本スポーツ協会・日本栄養士会公認スポーツ栄養士。普段は広島を拠点に、フリースタイル・モーグルナショナルチームをはじめとするアスリートや、クラシックバレエダンサーなどの栄養サポートを行う。