主人公の蘭になるためのカラダづくり
「私はお腹にお肉がつきやすく、二の腕もぽよんとしている方。頑張って引き締めようとしても細くなるだけでなかなか筋肉がつかないんです。
でも基本的には曲線を残しつつも引き締まっていて、多少腹筋が割れていたらいいなと思い、Prime Videoで配信が始まった主演映画『ナックルガール』の撮影が始まる前は、ウェイトトレとピラティスを週1回ずつ行うのがルーティンでした」
しかし今回、三吉彩花さんは本作のクランクイン前からボクシングの練習と並行して、自身が演じた主人公の蘭になるためのカラダづくりに精力的に取り組んだそう。
「蘭は昔はヤンチャをしていたけれど、妹のためにボクサーの道に進んだ女性です。だから、単にきれいなカラダというよりは、精神状態と同様に荒れてはいるものの“前に進もう”とする強さが見えるカラダなのかなと。
そこで、ウェイトトレでは筋肉の細かい陰影をつくるために部位に特化して鍛えました。ピラティスは私の中でストレッチのような位置付けで、骨の位置やインナーを整えることが目的です。奇数日はウェイトトレ、偶数日はピラティスという具合に交互に行いつつ、ボクシングジムにも通いました」
広背筋がやっと見えたのは3か月目くらい
さらにカラダの歪みが気になれば整体院に行き、自宅でもテニスボールを踏んで足裏の筋膜にアプローチするなど、さすがの徹底ぶりだ。
「ただ今回のカラダづくりは効果がすぐには目に見えないのが大変でした。筋肉は短期間で発達するようなものではないですからね。実際、最初の1か月はただ痩せるだけで全く大きくならず。また、それまでカラダについていた脂肪を落とすためにもこまめにボクシングの練習を入れました。
背中の広背筋がやっと見えたのは3か月目くらい。それでも私は腹直筋下部や横腹の腹斜筋、二の腕の上腕三頭筋がなかなかつかなくて、そのゆっくりとした変化が思っていたよりしんどかったです」
またカラダのため食生活も一新。
「筋肉をつけたかったので食べる量を増やしました。それまで1日2食くらいだったのを4〜5食に。あとはタンパク質と糖質も意識して摂取しました。プロテインを飲み、タンパク源には魚や豆だけでなくお肉も食べて、合同トレーニングの日は途中で食べる用のおにぎりや羊羹を持参しました。
運動量が多い分お腹がぺこぺこになるし、疲れを翌日に持ち越さないためにも、栄養バランスを常に意識しました」
自己投資のつもりで長く前向きに自分に向き合う
いくら役づくりの一環といえ、ここまで突き詰めた自己管理をやり切る三吉さんには尊敬の念が湧く。
「いやいや…私はフィットネスは自己投資だと考えているんですよね。たった数か月や数年でなりたい自分になれるとは思わないので、もっと長期的に捉えています。それこそどういう老後を送りたいかも含めて。
私が通うジムにタンクトップ×デニムのショートパンツ姿で懸垂したり私より重い重量を扱う60代の女性がいて、めちゃくちゃかっこいいんですよ。話を聞くとジム歴は10年以上らしく“継続は力なり”だなって」
今回の役づくりを経て、フィットネスへの意識もより高まったそう。
「ベスト体型が毎回更新されて継続するほど“新記録”(笑)が出るのが楽しいです。最近めったに疲れないし体調も崩さないので、すごく健康的です。もっと取り入れていくべきだなと改めて思いました」