伝統の技術を足元で感じる!組紐シューレースという選択肢

三重県の伝統的工芸品である伊賀組紐がアスリートの協力を得て、ジワジワとその人気を高めている。

取材・文/神津文人 撮影/石原敦志

初出『Tarzan』No.846・2022年11月24日発売

組紐シューレース

結びやすく、ほどけにくい「組紐」

三重県の伝統的工芸品である伊賀組紐の技術で作られたシューレースが、アスリートの間でジワジワ人気が高まっているという。

着物の帯締めに使われる組紐は、結びやすく、ほどけにくい、そして丈夫であることが特徴。そう、シューレースに求められる機能とズバリ合致しているのだ。

とはいえ、着物用の組紐をそのままシューレースにできるわけではない。素材の選定、編み方の試行錯誤を繰り返し、およそ2年の開発期間を経て、完成に辿り着いた。

「千葉ロッテマリーンズの荻野貴司選手らのアスリートの方に協力を頂いて、使い心地や耐久性を確認しながら、改良を続けました。細さと強さを両立しながら、ある程度の伸縮性も必要なので、その調整には時間がかかりました」とは、伊賀組紐の《クールシューレース》を手掛ける〈糸伍〉の松田智行社長。

クールシューレース 組紐 松田智行社長

「組紐は表面に凹凸があるのでほどけにくい。アスリートの方たちには、シューズの中で足がブレなくなったという声を頂いています」と糸伍の松田智行社長。

クールシューレース 組紐

カラーバリエーションも豊富な《クールシューレース》は、長さも110cm、120cm、130cmが揃う。各1,760円(2本セット)。

引っ張りに対する強度試験では、シューズを購入した際に付属する一般的なシューレースと比べて約2倍高いという結果が出たそうだ。

タフさ、ほどけにくさ、足とシューズを一体化させる保持力が評判になり、現在では野球選手、サッカー選手、ボクサーなどのプロアスリートが愛用しているそう。組紐シューレースを活用して競技力アップしちゃいましょう!

糸伍

1954年に創業。機械織り伊賀組紐製造と卸売りを手掛けている。糸伍の組紐は多くの歌舞伎役者に愛用されている。また、国体などスポーツ大会のメダルの紐にも糸伍の組紐が採用されている。WEBサイト