劇団四季・シンバ役がやっている、首・肩・腰の重点ケア

劇団四季のディズニーミュージカル『ライオンキング』。上演時間の3時間弱、きっちり演じきるためのストレッチとは?

取材・文/山梨幸輝 撮影/大嶋千尋

初出『Tarzan』No.838・2022年7月21日発売

劇団四季 永田俊樹さん ミュージカルでストレッチ

上演前も後もストレッチ三昧

劇団四季 永田俊樹さん

永田俊樹さん

教えてくれた人

ながた・としき/1988年、埼玉県生まれ。2010年、劇団四季研究所に入所。『ライオンキング』のシンバ役のほか、『リトルマーメイド』『アラジン』にも出演。

圧倒的な歌唱力と身体表現に心震わせられる劇団四季のディズニーミュージカル『ライオンキング』。しかし、上演時間の3時間弱、マスクを被り続けるなど舞台裏には苦労もある。

「最も疲労が溜まるのは首と肩。声帯にも関わる部位なので、入念にほぐします。また、動物の姿勢を再現するために中腰でいることが多いので、腰や骨盤のケアも。起床後から終演まで、時間さえあればストレッチです」

シンバ役の永田俊樹さんはそう語る。基礎的なストレッチと併せて首や肩、腰を重点的にケアする独自の動きも積極的に試しているという。

「実は昔からカラダが硬くて、コロナ禍をきっかけにストレッチを始めたんです。声が出やすくなったのが嬉しくて続けたら180度開脚できるまでに。ストレッチで大切なのは夢中になることかもしれません」

永田俊樹さんのストレッチ3種目

変形ハードルステップ

変形ハードルステップ 劇団四季 永田俊樹さん

片脚で立ち、上半身が地面と平行になるように保ちながら、もう片方の脚を後ろに伸ばす。伸ばした方の脚を、股関節を開くように意識して、骨盤の高さを変えないように正面に回す。

これを逆側の脚でも繰り返し、ゆっくりと前進していく。重心がブレないように体幹を意識するのがコツだ。

8の字前屈ストレッチ

8の字前屈ストレッチ 劇団四季 永田俊樹さん

足を肩幅に開いて前屈し、両手を地面につける。肩甲骨と骨盤を意識しながら、腰を「8」の字を描くように動かす。さまざまな方向に動かすことで、腰まわりをリラックスさせて柔軟性を保つ。

腰の位置が低い四足動物の動きを演じるうえで欠かせないストレッチだ。

胸椎屈曲のストレッチ

胸椎屈曲のストレッチ 劇団四季 永田俊樹さん

両手を後ろに伸ばし、指が上になるように手すりを掴む。膝を曲げた状態で30秒ほどキープ。首を上下左右に曲げるとより効果的。

「両腕を前に伸ばす胸椎伸展のパターンとセットで行っています。前後をバランスよく無理のない範囲で伸ばすのがポイントですね」。