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こんなパンを待っていた! 豆でつくられたグルテンフリーの《ZENB ブレッド》
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5月13日に公開の『生きててよかった』はまさしく“命懸け”の映画だ。
ドクターストップを機に現役を退きながら、戦いにしか喜びを見出せないプロボクサー・創太の不器用な人生を描いた本作。主演の木幡竜さんもまた、元プロボクサー。
注目すべきはストイックなカラダ作りで、約2か月で体重を10kg落とし、体脂肪率3%まで仕上げたという。生きていくうえで最低限の体脂肪率が4%といわれるのだから、文字通り身を削った役作りだ。一体なぜそこまで?
「ハリウッド映画でボクサー役の俳優がボディビルダーのような筋肉をつけているのをよく見ますが、レジェンドのマービン・ハグラーやシュガー・レイ・レナードだって、実際はそんなカラダはしていません。僕にとってのリアルを目指したくて。自重トレが中心で、俊敏に動ける“野生の猿”のようなカラダに仕上げました」
そう語る木幡さん。現役時代並みのメニューを毎日こなし、食事は毎食豆腐と納豆、スープ春雨のみ。過酷すぎる!と思いきや、「痩せるのは簡単ですよ」と一言。
「筋肉を維持するために2か月かけてゆっくり減量しましたが、痩せるだけなら10日あれば10kgいける。食欲を律すればいいだけですから(笑)。一番キツかったのは精神面。主人公が持っている“崖っぷち”のメンタルを作るために、撮影の時以外はほぼ誰とも会わず一人で過ごしていましたね」
劇中では、サラリーマンに転職するも失敗ばかりの創太が、とあるきっかけから血生臭い地下格闘技の世界へと引き込まれていく様が描かれる。社会に馴染めない焦燥感と、戦いへの拭えない執着を、圧倒的なリアリティで表現した。
「ボクサーの中には、創太みたいにリング上でしか生きていけない人がたくさんいて。ただ僕が見てきたなかで、人生観すら変えてしまう試合をするのはそういう人が多かった。彼らの生き様が幸せか不幸せか、この映画を通して考えてくれたら嬉しいですね」
ちなみに、予告編でも見られる、創太が左フックを食らうシーンは、自らの希望で現役ボクシング選手に実際に殴られているそう。ゾクッとするダウン中の顔をはじめ、木幡さんにしかできない体当たりの表現が詰まった本作。ぜひ劇場で堪能してほしい。木幡さん、最後に『ターザン』読者に一言を!
「トレーニーのみんな、痩せるなんて“チョイチョイ”だぜ!」
シビれます!!
現役を引退したプロボクサー・創太の不器用な人生を、『くそガキの告白』で話題を呼んだ鈴木太一監督が描く。木幡さんのアクションはもちろん、ファンなら思わずニヤリとしてしまう“あの映画”へのオマージュにも注目。5月13日(金)より、東京・新宿武蔵野館などで全国ロードショー。
取材・文/山梨幸輝 撮影/田附勝 スタイリスト/荒木大輔
初出『Tarzan』No.832・2022年4月21日発売