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BIGBOSS・新庄剛志、常識破りのカラダ論「鍛えるのにジムも道具も必要ない」

BIGBOSS 新庄剛志

新庄剛志(しんじょう・つよし)/1972年生まれ、長崎県出身。1990年、阪神タイガースに入団。2001年にMLBに移籍しメッツやジャイアンツで活躍。2004年、北海道日本ハムファイターズに移籍。“新庄フィーバー”を巻き起こして2006年日本一を達成し現役引退。今季よりファイターズ監督に就任。

球春到来。2022年はひときわ野球界が賑やかだ。話題の中心は、BIGBOSSこと新庄剛志。常識にトリガーを引き続ける男は、カラダ作りの考え方もまた然り。その金言を胸に刻もう。(雑誌『ターザン』No.830〈2022年3月24日発売号〉より全文掲載)

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BIGBOSS流・超人的肉体管理術

50歳を越えてなお、その肉体は見事にビルドアップされている。

もう少し胸を盛り上げてから撮影したかったんだけど、監督になっちゃったからなかなかジムに行く時間が取れなくて(笑)

BIGBOSS 新庄剛志

まさに時の人、“BIGBOSS”こと北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督は、そう言って真っ白な歯を見せて笑った。「人間見た目は大事。肉体もファッションの一部」と語るだけあって、現役時代と変わらないボディラインを維持するため、週2〜3回のジム通いを続けているそうだが…。

維持するだけならジムに行かなくても大丈夫。たとえば僕は、夜コンビニに行くときに、歩いて30分くらいかかる遠いところを選ぶんです。そこまで速歩きで行って、2Lのペットボトルを2本買って、それを両手に持って上下させながら帰る。傍から見ると変な人かもしれないけど(笑)、これだけでも結構なトレーニングになるんです

鍛えるのにジムも道具も必要ない

一昨年、バリ島で生活しながら現役復帰を目指したときは、ボールもグローブもないところからのスタートだった。

BIGBOSS 新庄剛志

現役をやめて13年間、野球どころかまったくトレーニングをしていなかったんで、カラダはなまりきっていた。最初は家にあった40kgくらいのガスタンクを抱えて移動するトレーニングで足腰を鍛えて、そのあとはジャングルに行って丸い石を集めてきて、それを投げて肩を鍛えた。

日本からボールが届いたときには遠投で90mくらい投げられるくらいまで回復していましたよ。本気で鍛えようと思ったら、ジムも道具も必要ないんです

食生活にも気を配っているかと思いきや、まったくの無頓着。

子どもの頃貧乏で、夕飯が茹で卵1個とか姉ちゃんと2人でラーメン1杯みたいな生活だったんですよ。だからメシはもう食べられればそれでいいというか、こだわりとか全然ありません。

朝は毎日コンビニで買ってきた菓子パンと甘い缶コーヒーだし、そのほかの食事もあるものを食べるだけ。でもたまにカラダの声は聞こえてきて、この栄養素が足りないと思うことがあります。カリウムとビタミンBが足りてないからセロリ食べなきゃとか、ポリフェノールが足りないから赤ワインを飲もうとか。

自然とわかるんです。で、そう感じたら2〜3日はそればかり食べる(笑)。そうすれば、すぐに体調が整います

肉体だけでなく感覚も超人的。少し脂肪がついたと感じたときのダイエット法も独特だ。

BIGBOSS 新庄剛志

ちょっとお腹がプニュッとしてきたなと思ったら、散歩しながら一生懸命考え事をするんです。今ならとにかくチームのこと、プロ野球のこと。集中して脳みそを使っているとカロリーをどんどん消費するし、お腹も空かない。そういう“シンキング散歩”を3〜4日続けたらすぐにお腹も引き締まります

インタビュー中も、1時間ほど集中して話したBIGBOSSは「ちょっと甘いものを食べていいですか?」とチョコレートをつまんだ。本当にカラダが求めるモノに敏感なのだ。ちなみに睡眠は90分の倍数が調子いいのだとか。

6時間か7時間半がベスト。短いときでも5時間寝るんじゃなくて4時間半にすると、すっと目が覚めます。昔誰かから教わった理論なんですけど、あのエジソンも3時間睡眠だったとか。そういえばうちの親父も明け方まで酒を飲んでても、3時間寝るだけで元気に仕事に行っていたなあって(笑)

現役時代の“練習嫌い”は自己演出

BIGBOSS 新庄剛志

子どもの頃から身体能力抜群でスポーツ万能。運動会やマラソン大会は常にぶっちぎりの1位。小学校の体育の授業では、教師ができないような鉄棒や跳び箱を軽々やってのけていたという。

サッカー、バスケ、バレーなどの球技も得意でした。唯一苦手だったのが野球だったんです。だからこそ夢中になったんでしょうね。プロ野球選手になりたいと思って、毎日ひとりで練習していました

その後、阪神タイガースに入団し、夢を叶えた彼は、チームを代表するスター選手に。2001年にはメジャーリーグに移籍し、メッツやジャイアンツで活躍。04年に北海道日本ハムファイターズに入団すると、“新庄フィーバー”を巻き起こし、チームを日本一に導いた。そして今シーズン、彼はもうひとつの夢を叶えた。監督としてファイターズを率いることになったのだ。

現役時代のBIGBOSSは、練習嫌いで知られていた。「デニムパンツが似合わなくなるからお尻は鍛えない」と言ったとか、言わないとか。そんな彼に監督が務まるのだろうか?

あれは、自己演出(笑)。練習しなくてもすごい、新庄は天才だって思われたくて練習していないフリをしていたんです。実際若手の頃は誰よりも練習していましたよ。朝は誰よりも早く練習場に行って、みんなが来る頃になったらいったん外に出て、今来ましたって顔で入っていく。

夜もみんなが帰るのを待って、こっそり鍵を開けてもらって練習していました。やっぱり活躍しようと思ったら練習は必要。僕は選手が心から野球を楽しめるようなチームを作りたいと思っているけど、そのためには厳しくならざるを得ない。楽しいけど厳しい、厳しいけど楽しいチームを目指します

ファイターズの選手には、80%で動けるカラダを作るようにと伝えているという。

守備でもバッティングでも全力でやろうとすると力みが入ってしまうんです。80%くらい、少し筋肉がリラックスしている状態が一番スムーズにカラダが動く。だから選手たちには、今の100%を120まで引き上げようと。そうすれば80%で今の全力プレーができるようになる。

あとは、頭を使ってプレーすることも大事。ファインプレーと無謀なプレーを分けるのは、頭なんです。今何が起きていて、どういうプレーをすべきか、頭で理解せず、カラダだけで動くからケガにつながる。筋肉を鍛えるのには限界があるけど、脳みそにはそれがないんです。そういうこともしっかりと伝えていきたいですね

プロ野球全体を盛り上げていきたい!

話題作り優先になるのではないかと思われていたBIGBOSSの指導だが、キャンプを通して伝わってきたのは、選手のモチベーションアップの巧みさと野球理論の確かさ、そして野球に対する真摯な思い。実は、現役復帰を断念してから1年間、監督になるために入念な準備をしていたという。

現役復帰を目指したのも、監督になりたいと思ったから。自分が身につけてきた野球の技術や野球に対する考え方、思いを誰かに伝えたかったんです。僕が監督になるなんて誰一人思ってなかったときから、二軍の試合を観たり、気になることや思いついた練習法をノートに書いたり、準備はしていました。

1%くらいは可能性があるんじゃないかと思って、そこに賭けた。でも本当にファイターズからオファーが来たときは、自分でも驚きましたよ。この球団、とんでもないことを考えるなって(笑)

監督就任記者会見では、「優勝を目指さない」と発言して話題になったが、BIGBOSSの目はチームの勝ち負けだけでなく、プロ野球全体に向けられている。

僕らが子どもの頃は、毎日地上波で巨人戦をやっていて、スター選手がバンバンCMに出ていたじゃないですか。今そんな選手がいます? 僕はまずファンが球場に足を運びたくなるようなスター選手を作って、もう一度プロ野球人気に火をつけたいんです。

野球って楽しいな、面白いなと思ってもらうためならなんでもやりますよ。そのための第一歩が、選手たちが野球を楽しむことなんです。選手が張り切って野球を楽しんでいれば、それを観るファンも楽しい。

球場にファンが増えれば、選手のプレーもどんどん良くなる。スタンドが満員になれば、選手の力は20%くらいアップします。そうなればファイターズも優勝争いできるようになるはずです

もっと野球を楽しむ、楽しませるための秘策は、頭の中にある。

打順とかピッチャーの起用法、守備位置とか、もっとこうしたほうがいいんじゃない?ってアイデアがたくさんあるんです。今ある常識にどんどん挑んでみる。結果的に間違ったということもあるかもしれないけど、試す価値はある。

今日のファイターズはどんなことをやってくるんだろうと思ったら、みんなワクワクするし、うまくいったりしたらさらに盛り上がる。プロ野球の常識もどんどん変わってきているし、変わるべき。

監督も腹が出ているのではなく、カッコよく(笑)。そのためのトレーニングもバッチリです。新しい時代の、新しい野球をみんなに見せていけたらいいですね

いよいよ球春到来。新しくて楽しい野球を見せてくれるBIGBOSSから目が離せない!

『スリルライフ』

BIGBOSS 新庄剛志 スリルライフ

監督就任後初となる書籍では、就任に至る経緯やチーム作り、整形やファッションなどプライベートのことまで赤裸々に明かしている。これを読めばプロ野球がもっと楽しくなる!?(1,650円・小社刊)

取材・文/川上康介 撮影/平間至、小川朋央(インタビュー) スタイリスト/中川原 寛 ヘア&メイク/馬渡さやか

初出『Tarzan』No.830・2022年3月24日発売

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