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「次はどこを綺麗にしよう」90歳インストラクター・瀧島未香さんの運動習慣

87歳でインストラクターデビュー。

笑顔でこちらを見ているのは“タキミカ”の愛称を持つ瀧島未香さん。実はこの時後ろ歩きの最中。姿勢を正したまま颯爽と歩く様子は、ビデオの巻き戻しのごとくスムーズ。その足運びにスゴい、と思わず口にすると明快な言葉でレクチャーしてくれる。どこまでもパワフルである。

「師事する中沢智治トレーナーに前重心のクセを指摘された時に、後ろ歩きを習慣にすれば重心バランスが整うかもと思いついたんです」

タキミカさん
瀧島未香(たきしま・みか)/1931年生まれ。パワーエイジング所属。87歳でインストラクターとしてデビュー。ジムなどで老若男女、幅広い層を対象に“100歳まで健康に生きるカラダづくり”を伝授。

運動を始めた年/65歳

頻度/ 雨の日以外、毎日

内容/毎朝2時間かけてウォーキング4km、ジョグ3km、後ろ歩き1kmに取り組む。日中はホームジムでウェイトトレをし、夜はストレッチを行う。定期的にパーソナル指導も。

昨年受けた人間ドックの脳のMRI検査では大脳の萎縮はほぼ見られず、加齢で蛇行する傾向がある血管もきれいなままで、異常ナシ

フィットネスのおかげです。65歳までは運動と無縁で、のほほんと暮らしてました。育児と手が離れてからは手芸をしたり、おせんべいを食べてはゴロゴロして、今より15kgも太っていました。

そんな私を見かねた夫が見つけてきたジムに入会してマシンやプール、スタジオプログラムを毎日フル活用するうちに最初できなかった動きを次第に体得し、体型もみるみる変わっていくのが楽しくなっちゃって。手芸との共通点は完成した時の満足感

たとえ時間がかかっても、作業していたものが出来上がると、喜びでいっぱいに。だから運動をやめたいと思ったことは一度もないですね」

年齢はただの数字。いくつになっても、綺麗になったら欲が出るもの。

15kgの減量を成功させた後も、次々に新たなエクササイズに挑戦。

「パーソナルトレーニングを始めたのは79歳の頃。柔軟性を高めるためのストレッチやコアの強化に特化した運動を基礎から学びました。また逆三体型や海外の女性のようなヒップに憧れてボディメイクも!

何歳になっても実際にカラダが変わると、次はどこを綺麗にしようかと次々に欲が出る。運動において年齢は数字にすぎないんです」

そんなタキミカさんの意欲的な姿勢をいつもそばで見ていたトレーナーに導かれて、87歳でインストラクターとしてデビューした。

「なりたいと言ったことは一度もなかったんですが…先生との“できる/できない”の押し問答の末にやってみると思いのほか楽しかったんです!! 唯一大変なのは数十分の動画を撮る時の台詞を覚える作業。イベント前日に先生から台本がメールで送られてくるので、暗記するためにカレンダーの裏に全文書き出し、寝室の壁に貼って声に出して読みます。

黙読でなくカラダを動かさないと頭に入りません。ただタキミカとしての活動が広がるにつれ暗記する機会が増え、数年前と比べ暗記速度が格段に上がった。脳は使えば使うほど進化する、これまた年齢は関係ないみたいです(笑)」

取材・文/門上奈央 撮影/角戸菜摘

初出『Tarzan』No.811・2021年5月27日発売

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