インテリアとしても成立する。水抵抗のみでカラダを鍛える《WaterRower》|フィットネスの新・名品図鑑

知識と審美眼を持つ7名のご意見番と、『ターザン』の編集・ライター陣がフィットネスの「新・名品」を選定! トレーニング器具をメインに、カラダの基礎を作るうえで欠かせないライフスタイル用品まで、幅広いジャンルの商品をピックアップ。今回紹介するのは、水抵抗のみで負荷をかける《WaterRower》。

photos: Yoshio Kato styling: Takeshi Toyoshima illustration: Yoshifumi Takeda text: Ryo Ishii, Fumihito Kouzu, Kyosuke Nitta, Keiichiro Miyata<br /> 新・名品選定委員会/荒金大典、井上健二、齊藤邦秀、土井地博、豊島猛、美才治真澄、三浦香織

初出『Tarzan』No.808・2021年4月8日発売

未来を見据えた手仕事のグッドデザイン。

フィットネス機器って部屋に馴染まないのが普通。重厚感のあるスポーティな見た目が当たり前。ガツンと筋肉に効いてナンボ。無意識に思い込んでいたそんな固定観念を大きく揺るがすのが、「ミッドセンチュリー家具のごとくインテリアとしても成立する」とビームスのコミュニケーションディレクター土井地博さんが強く太鼓判を押す《WaterRower》。

WaterRower
ストローク数や移動距離を確認できるモニターが付属。W210×H53×D56cm、30.5kg。最大耐荷重:150kg、最大注水量:20ℓ。211,200円、問い合わせ先/ウォーターローワー東京ショールーム/スタジオ フリーダ info@freeda.jp

88年にボート米国代表チームの一員だったジョン・デュークによって開発されたマシンで、北欧家具を想起させる無駄のない端正なフォルムと味わい深いアッシュ材の表情は筋トレ感ゼロ。アパラチア山脈の持続可能な針葉樹林から高品質なものを厳選し、すべて自社工場で熟達した職人が手作業で製造するという真摯な姿勢も胸を打つ。

さらに、鍛え方も一般的なロウイングマシンとは異なり、そもそも電源コードがない。体幹と全身筋トレと有酸素運動ができるトレーニングに変わりはないが、ボタン調節で重さを変えるのではなく、水抵抗のみで負荷をかける構造。

HOW TO USE:
WaterRower

腰掛けて足をセットし、ボートを漕ぐような動作を繰り返す。専用アプリにも連動。

心地いい水の流れと水音を感じながら、関節への負担も少ない体勢で、かつボート競技に近い臨場感を味わえるのだ。これぞまさにグッドデザイン×ハンドクラフト×サステナブルの3本柱がバランスよく備わった究極形の機器。目にもカラダにも、未来にもいい。