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竜王の集中力は糖質が創る。将棋棋士・豊島将之の“適量糖質”

豊島将之(とよしま・まさゆき)/1990年生まれ。第33期竜王および第5期叡王。2007年に16歳でプロ入り。2019年に将棋界最大のタイトルの一つである竜王を獲得。昨年の竜王戦では羽生善治九段を破り、自身初となるタイトル防衛を果たした。

人は糖質なくしては生きていけない。とはいえ、何も考えずに好き放題摂り続けるのはコンディションやパフォーマンスを下げるだけ。各界のトップランナーたちはどんな糖質の摂り方をしているのだろうか? 今回は将棋棋士・豊島将之さんにインタビュー。

「秒読み」前はゼリーで糖質補給。

2020年の12月、将棋界のビッグタイトルの一つである竜王戦で羽生善治九段を破り、見事初防衛を決めた豊島将之竜王。日付が変わるまで指し続けることもある対局、常に脳をフル回転させるには糖質が欠かせない。

「対局中も普段とあまり変わらないです。しっかりと食事をして、糖質も摂る。ただいつもは食べない朝食も、対局がある日には必ず食べています。竜王戦などタイトル戦の場合は泊まりがけになるので、ホテルや旅館のルームサービスを注文することが多いです。特に旅館は豪華で朝からお寿司が出たりするので、その時は逆に食べ過ぎに気を付けてます(笑)」

序盤はある程度決まった流れの中でお互い探り合い、終盤になるにつれて局面が複雑になる。どれだけ有利に進めていても、最後に判断を誤った方が負けるのが将棋の世界だ。

「とにかく最後まで集中力を絶やさないことが大切。特に秒読み(持ち時間がなくなり一手1分以内に指す状況)に入った場合はより緊張感が増すので、事前にゼリー飲料などの間食で糖質を摂って備えます

対局日の食事例:

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将棋棋士・豊島将之
タイトル戦の場合は対局が2日間にわたる。昼食休憩以外にも対局中の午前と午後にフルーツなどのおやつ、それ以外にも適宜間食を摂ることが可能。
将棋棋士・豊島将之
地方での対局では、比較的余裕のある初日にご当地メニューを、2日目には食べ慣れたカレーやうな重を頼むことが多いとか。

徐々に液状の食品で。

その間食の摂り方にも自分なりのルールがあるという。

「序盤はブロック状の栄養補助食品、対局が進むに連れてチョコレートやゼリー飲料、ジュースへ変えます。徐々に液状になっていますね。この流れを変えると終盤に頭が働かなくなる気がします。気のせいかもしれませんけど(笑)」

最後に豊島竜王にとって「糖質」とは?とベタな質問を投げかけた。

「最低限必要なものですかね…。糖質をしっかり摂ったからって必ず勝てるわけではないですが、そこを疎かにして負けたくはない。考えられなくなって負けるのが一番嫌なので」

取材・文/増田淳希 撮影/西岡潔 写真提供/日本将棋連盟

初出『Tarzan』No.804・2021年2月10日発売

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