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110kgから38kg減! ゆりやんレトリィバァは「誰かのためじゃなくて、自分のために痩せようと思った」

ゆりやんレトリィバァ/1990年、奈良県生まれ。レギュラー出演のテレビ番組に『知りたガールと学ボーイ』『アッコにおまかせ!』など。また、ラジオ番組『ユリヤンスタジオランド』ではパーソナリティを務める。2021年1月18日にはインストラクターデビュー。

お笑い芸人のゆりやんレトリィバァさんが変わった。といっても、芸風ではなくカラダの話である。この肉体美をいかにして手に入れたのだろうか。

カラダの半分が脂肪だった。

「百獣の王です(笑)」

最大時の体重を聞くと、芸人のゆりやんレトリィバァさんは笑いながらそう答えた。要するに110kgということなのだが、159cmの身長でその体重とはただごとじゃない。加えて、当時の体脂肪率は45%

ゆりやんさんは「カラダの半分が脂肪なんて、“ありえへん”と思いましたけど」と述懐する…がしかし、今となっては昔の話。“ありえへん”時代から38kg減に成功し、一目瞭然のヘルシーなカラダを手に入れたのだ。

ゆりやんレトリィバァ

この大変身物語は一人の立役者を抜きにして語れない。彼女が“師匠”と呼ぶ、パーソナルトレーナーの岡部友さんだ。二人が運命の出会いを果たしたのは、2018年11月のこと。ある番組のダイエット企画だった。

岡部 友(おかべ・とも)
岡部 友(おかべ・とも)/1985年、神奈川県生まれ。女性専用フィットネススタジオ〈SPICE UP〉代表。美尻トレーナーとして女性から絶対的な支持と信頼を得ている。著書に『美尻トレ 究極のヒップメイク』など。

「それまでもダイエット企画には参加していたんですけど、一つの食材だけを食べ続けて痩せるやつとかで。一生続けられないですね。だから、番組では痩せるけど、終わるとリバウンドで、もうやりたくないなと思っていたんです。

だけど、友さんのは運動で痩せるということで、私は運動が好きだし、健康的だなと思って、やり直してみようと思いました」

誰のために痩せるのか。

3か月間にわたるトレーニングと食事管理の指導を受けることになったゆりやんさんは、岡部さんに絶大な信頼を寄せるようになり、目標だった10kg減も無事にクリアすることができた…かに見えたが、2019年4月には元通りの体重にリバウンド。

好きな人ができて、独自の運動で7月までに10kg減するも、あえなくフラれて1か月でまた10kg増と、人生ゲームさながらの浮き沈みを経験するなか、ゆりやんさんは思ったそうだ。

「太っている女芸人はたくさんいるし、私がそこで突き抜けてなにかできるわけでもないし、何やこれ?」

そのとき、脳裏をよぎったのは、初対面の岡部さんが開口一番に言った、「番組のためじゃなくて、ゆりやんのためにやろうね」というひと言。

ゆりやんレトリィバァ

「今までは番組のためとか、好きな人のために痩せようと思っていたんですが、今度は自分のためにそれをしようと思ったんです。それで2019年の11月に友さんのところに行って、膝をついて頼んだんです。“もう一度指導してください”って。

そしたら、友さんは“太っているカラダでやれることはもう全部やった。次はゆりやんが好きな運動っていう新しいフィールドに挑戦しよう”って言ってくれて」

我慢ではなく“節制”をする。

かくして、ゆりやんさんを本格的に指導することになった岡部さんは、その印象をこう語る。

「トレーニングはめちゃくちゃ上手。メインでやっているのは、もちろんお尻を鍛えることです。40kgから始めたヒップスラストも、今では100kg上がるんですよ」

岡部さんがトレーニングと同時に重視しているのが、カラダに負荷をかけない食事だ。量はもちろん、栄養素にも注目し、鶏肉を食べるのにしても、その鶏の餌まで気を配る。最初は苦労したゆりやんさんも、今では“我慢”ではなく、自ら進んで食べられるようになった。

ゆりやんレトリィバァ

「実は1月から4月まで、仕事を休んでLAに滞在する予定だったんです。コロナで3月に帰ってきましたが、その間ずっと自炊できたのも、よかったです。LAにいるときはマシュマロバーなんかを食べちゃうときもありましたが、最近は衝動的に食べたいものがあっても、その味を思い浮かべて“はいはい、こんな味か。わかったわ”で終われるようになりました(笑)」

「ただ」と岡部さんは念を押す。「ゆりやんは仕事柄、先輩との外食が多いと思うんです。そういうときにまで、“この鶏の餌がわからないから食べられません”と言って雰囲気を壊す必要はない。

ただ、量はコントロールできるから、10個食べたかったとしても、6個に節制すればいい。大事なのは我慢じゃなくて節制。その感覚をつかめたら、ダイエットは勝ちです」

ゆりやんレトリィバァ

今ではゆりやんさんの活躍を聞きつけて、岡部さんのジムの門を叩く女性も増えているそう。そんな女性たちをより輝かせるべく、ゆりやんさんにインストラクターとしての道も切り開いてほしいと語る岡部さん。ゆりやんさんは「おそれ多いんですけど…」と謙遜しつつ、最後にこんな目標を語ってくれた。

「痩せることが正義とは思ってないんです。太っていることが個性って場合ももちろんあるし。ただ、私に関して言えば、どっかで開き直っていたなと思うんです。不摂生をしているのに、いいやこれでって。

だけど、今はできることを最大限やりたい。やったうえで、それでも腕が人より太いのなら、それは私の個性だって言える、ヘルシー芸人になりたいなって思います」

取材・文/鍵和田啓介 撮影/下屋敷和文 ヘア&メイク/天野誠吾 スタイリスト/齋藤良介

初出『Tarzan』No.802・2021年1月4日発売

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