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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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なかなか表に出ることのないスーツアクターという職業、一体どういうものなのだろう? 『仮面ライダーセイバー』のスーツアクター・浅井宏輔さんに聞いた。
「まさか『Tarzan』に取材される日が来るとは!」
と屈託のない笑顔で現れたこの男性。テレビ朝日系で毎週日曜朝9時から放送されている『仮面ライダーセイバー』のスーツアクターだ。なかなか表に出ることのないこの職業、一体どういうものなのだろう?
「一般的にはスーツを着用して芝居をする人のこと。学生の頃に友人が遊園地や住宅展示場などでヒーローショーのアルバイトをしていて、その紹介でバイトを始めました。自分としてはヒーローの真似事をしているだけなのに、観客からすると本物のヒーロー。期待を裏切らない、“本物”を目指すようになりました」
大学を中退し学費を稼いだ後、アクション俳優の養成所へ。あまりにハードで、当初30人ほどいた同期も、卒業時には半分ほどに減っていた。
「入所早々の合宿が一番辛かったです。一通り指導された後に夕方から腹筋背筋を各500回、竹刀の素振り1,000本はザラ。1年後にはカラダがボロボロになっていました」
卒業後、さまざまな特撮モノで経験を積み、転機となったのは2015年放送の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』。長年の夢、“レッド”の役を手に入れる。しかし、クランクイン3日前の練習中に足の親指を骨折!代役でのクランクインとなった。
「申し訳なくて悔しくて。それからは鍼に定期的に通ったり、ストレッチを入念にするなど、ケアはしっかりしています。顔は出ないので代役はすぐ立てられるからこそ、自分にしかできない演技をしたいんです」
そして今年、『仮面ライダーセイバー』に抜擢される。そのスーツは、剣と合わせてなんと約16kg! それだけでトレーニングになりそうだが、カラダ作りはどうしているのか。
「基本は自体重トレ。変身前の役者さんは20代の細い子が多いので、彼らのボディラインから乖離しないよう気を付けています」
他にランニング、スイミングも行っている。
「セイバーを演じることになり、おめでとうとよく言われますが、1年やりきれてこそと思っています。挑戦したいことは、年間通して全話の怪人役を演じること。スーツによって可動域が異なるので、役者として幅が広がると思うんです」
笑顔の下に見え隠れするストイックさに、スーツアクターとしての実力を垣間見た気がした。
取材・文/港こころ 撮影/石原敦志
初出『Tarzan』No.799・2020年11月5日発売