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「いかに優れたボートで出し抜くか。僕は日本製のカヤックで勝負します」カヌー選手・足立和也

人工の急流コース上に設定された複数のゲートを通り抜け、タイムを競うダイナミックな水上競技「カヌースラローム」。そのカヤックシングル種目で東京五輪代表に内定している足立和也選手の競技用ボート、実は世界でも珍しい純日本製なのだとか。

カヌー選手・足立和也
足立和也(あだち・かずや)/1990年、神奈川県生まれ。幼少からカヌースラローム競技を始め、2014年アジア大会優勝、16年には日本人初のW杯3位入賞。昨年のNHK杯において東京五輪代表に内定。

「カヌーは競技自体がヨーロッパ主体で進んでいることもあって、ボートもほとんどが現地メーカー製なんです。ただ、他の乗り物を使う競技と同じく、カヌーもギアによって成績が左右される割合が大きいので、いかに他の選手よりも優れたカヤックを開発できるかがポイントになってくる。そこで、過去にカーレースのGT300で優勝経験もある〈ムーンクラフト〉に“僕だけのボートを作ってもらえないか”とダメ元でお願いしたのが始まりです」

山口県萩市と東京の2拠点で練習を積む足立選手。彼の情熱に賛同した〈ムーンクラフト〉の技術者が、そのトレーニングに付き添いながら1mm単位の細かなサイズ調整などを重ねて現在の形に至ったとか。

カヌー選手・足立和也
長くレーシングカーを専門に開発を続けてきた〈ムーンクラフト〉社が、その設計・製造ノウハウをベースに初めて手がけているカーボン製のカヌー競技用ボート。足立選手の練習や試合からのフィードバックを得ながらアップデートを重ね、現在こちらが6艇目だとか。長さ350cm・幅60cm。

「欧州製との一番の違いは材質の硬さ。これは強度の高いカーボン製で水に対してかなり反発力があるため、自分の持ち味である速い動きにダイレクトについてきてくれるんです。

逆に硬さがあるがゆえにカラダへの負担が大きく、漕ぎが少しでも遅れるとボートを操りにくくなるので、体幹トレーニングなどで良いフィジカルコンディションをキープすることも大切ですね。よく外国人選手から試させてくれと言われますが、そこはうまくかわしています(笑)」

text: Kai Tokuhara photo: Yuichi Sugita illustration: Shinji Abe

初出『Tarzan』No.793・2020年8月6日発売

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