“万年腰痛持ち”の落語家・三遊亭白鳥師匠、満を持してゴッドハンドの元へ

そもそも、駆け込む寺はどう選べばいい？

雑誌『ターザン』本誌「JUNGLE GYM」の連載「ジャングルのバー止まり木」でもおなじみの落語家・三遊亭白鳥師匠。職業柄、長時間胡座や正座をすることが多く、実は腰痛に長年悩まされてきたという。

そこで編集部に「名治療院」と伝わった〈A.B.S整骨院〉へ師匠をお連れすることに。

「私の施術では股関節から骨の歪みを見ていきます」と五十嵐英隆院長。今日も痛くて、と嘆く師匠はカイロプラクティックコースでカラダの問題点を探ることに。

最初に赤外線サーモグラフィーで調べると、骨格に左右差があり腰と首に炎症を起こしていることが判明。ただし五十嵐先生は患部だけでなく全身のバランスを整えていく。股関節まわりの矯正では師匠が音を上げる一幕も。

だが1時間半の施術後、立った瞬間に一言、「安定感が全然違う!!」。股関節を回してみると実にスムーズな動きで、ゴッド（先生）もにっこり。師匠、どうぞご自愛くださいね！

ジャンル別・ゴッドハンド3選

1. 【鍼灸】鍼は本来痛くない。即効性を求めるなら。

鍼灸と聞くと痛みを連想してたじろぐ。鍼未経験者あるあるだろう。

「鍼＝注射針ではないんです！」とアスリート御用達の〈白石鍼灸治療院 東京院〉の橘広造院長は断言。

「まず形状が全然違って、鍼は0.016㎜と髪の毛に近い細さで先端も丸い。また注射が痛いのは皮膚を切り裂いて血管や筋肉に針を刺すためですが、鍼では組織をかき分けながら刺入するので血も出ません」

鍼初心者の大半は緊張しがちだが、その緊張が血流を悪化し患部にもよくないとか。そういう点でも緊張せず委ねられる先生が知りたい。

「HPで口コミに加えて先生の活動実績も見るといいですよ。スポーツトレーナーの資格があったり元アスリートの先生は知識も多いはず」

初診後、自分に合う治療だったか否かは改善の兆しがあるかで判断。

「あえて一度で完治させない治療の進め方もある。診療計画をしっかり説明してくれる先生だと安心です」

2. 【カイロプラクティック】診断と矯正により本来の動く関節にリセット。

1895年アメリカで考案されたカイロは、肩こりや腰痛などの不調の主な原因として骨格のズレに着眼。

「ズレの矯正によって筋肉や神経の動きが正常化される。関節が正しく動く位置に整えるのが狙いです」と〈広尾カイロプラクティックオフィス〉の田中稔久院長。矯正という響きに思わず身がこわばる。

「たしかに関節にアプローチするため力を加えますが、それが難しければ当院は音を鳴らさない方法をとったり器具を使います。骨を動かして改善させるべき状況なら矯正は必要。でも症状次第では病院にも繫ぎますし、あくまで柔軟に判断します」

骨格のズレを精査してその人に合う治療法を探る。その点では矯正に限らず診断が丁寧か否かも重要。

「本場のアメリカでは技術もですが診断に時間をかけます。現地で経験を積んだ先生のいる治療院なら、症状をきちんと説明してもらえる可能性が高くて心強いと思います」

3. 【マッサージ】 筋肉を緩め、巡りを整える。痛みを事前に予防。

日々のストレッチなどによる肩こり・腰痛対策はもちろん大切だが、時にプロの施術を受けるのも有効。

「創業者の小守良勝が競技者の力になりたいという思いのもと“スポーツマッサージ”を始めました。最近は肩こりや腰痛で来院する人が8割に上ります」とアスリートにも定評ある〈小守スポーツマッサージ療院 高輪分院〉の清水康嗣先生は話す。

「当院の患者さんにお伝えするのは、マッサージに通いつつ自分自身でも日々の生活を整えること。多少の痛みならマッサージで緩和されることも多いですが、症状が深刻化して痺れ等を感じる場合はまずドクターに診てもらうのが先決」

マッサージの最大の効用は血行を良くすることとリラックス効果。

「マッサージの効果は一過性のことも多く、真にいいかどうかは長く続けることで初めて気づくもの。その意味でも、通いやすいよう家の近所で探すのがいいと思いますよ」

取材・文／門上奈央　撮影／角戸菜摘　漫画イラストレーション／川崎タカオ

初出『Tarzan』No.780・2020年1月23日発売

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