銭湯ライター&水風呂ハンター見参! この夏、浸かりたい12のお風呂
『ターザン』770号で熱いお風呂談義を重ねた本誌ライター・門上と、お風呂ライターの工藤亮さん。もう夏も終盤戦だけど、きっと秋に浸かったって気ん持ちいいハズ! ということで、〈Tarzan Web〉でも2人がお風呂を勧めあった対談の様子をご紹介。
取材・文/門上奈央 撮影/鈴木大貴、大内香織(松の湯、スカイスパYOKOHAMA) スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 取材協力/日本サウナ・スパ協会 撮影協力/はすぬま温泉、神田セントラルホテル
(初出『Tarzan』No.770・2019年8月8日発売)
門上 本誌にたまに出現する水風呂ハンター門上です! 最近届いた風の便りによれば、『ターザン』の歴代アルバイトの中で、東京都浴場組合公認の銭湯ライターとして現在活躍する人がいるとか、いないとか。
工藤 お呼びですね?
門上 アナタはひょっとして! と小芝居はそこそこに。工藤センパイ、最近はどんな銭湯ライフを? 夏の快浴とは何ぞやと考えていて…。
工藤 僕、正直夏場は湯船に入れなくてさ(笑)。42度とかさすがにね…。
門上 え! じゃあ、銭湯ライターって、夏季はまさかのオフシーズン?
工藤 イヤ、夏は炭酸泉と水風呂が最高だから、やっぱり家風呂でなく銭湯。炭酸泉は36〜37度で心地いいし、夏バテから来る不眠とか夏の冷えから来るむくみに効く気がする。水風呂も絶対ハズせないね。水で〆れば帰路も案外快適だし。
門上 激しく共感。水風呂でいい塩梅に冷却できればしばらくベタつかない。
工藤 〈改良湯〉の水風呂なら間違いないでしょ! 夏でもなかなか入れない15度前後。一方で男湯のサウナは約100度。温度設定がプロ仕様で面白いよね。
門上 私も〈改良湯〉の水風呂はいつも試されてる気分になります(笑)。だから人肌ほどの炭酸泉が沁みる。
工藤 あと〈松の湯〉も最高。露天が炭酸泉だし、宮造りの伝統的な建築が趣豊か。陽の落ちた時間帯に夜風を感じながらぬるめの炭酸泉。これぞ夏の至福!
門上 露天のベンチで涼むのもまた幸せなんですよね。でも私は内湯の水風呂に入る瞬間がやっぱ一番! メタケイ酸入りの井戸水で肌当たりが抜群にやわらかい。浴槽も広くてととのいます。
工藤 広さは大事だね〜。〈ひだまりの泉 荻の湯〉はスーパー銭湯級に広い銭湯。サウナも2種類あってハイスペ。
ひだまりの泉 荻の湯
都内最大級の広さを誇る銭湯。「炭酸泉も水風呂もとにかく大きい! 炭酸泉で、縁起がいいという赤富士のペンキ絵を見ながら入るのもお気に入りです」。乾式と塩、2種類のサウナがある。入浴料/460円、サウナは別途120円(土日は170円)。住所/東京都台東区根岸2-13-13、tel. 03-3872-7669。営業時間/6:00〜9:00、11:00〜25:00、第3火曜休。
門上 …。
工藤 なんでダンマリしてるの?
門上 水風呂ハンター名乗ってる身として非常に言いづらいんですが、私サウナが正直苦手なんですよ。あの熱さがもう…時に息苦しくて。夏は特に。
工藤 マジか(笑)。なら〈スカイスパYOKOHAMA〉行くしかないよ! 夏限定の冷やしサウナハット、超ハマると思う。あれを被ってサウナに入ると、頭はすっきり&頭より下は大量発汗。未知なる気持ちよさだったよ!
門上 さすがセンパイ、今すぐ行きますっ。最近私がハマったのは女性限定〈砂塩風呂パシルプティ〉。尋常じゃない発汗量ですが屋外での発汗と違い爽快。砂に埋もれるのも愉快。埼玉にある〈砂風呂屋 孳〉ならセンパイも行けますよ。
砂風呂屋 孳(ふゆる)
“日本一暑い街”で知られる埼玉県熊谷にある砂塩風呂の専門施設。「砂塩に覆われた途端にカラダの末端から温まり、全身から汗が噴き出る感覚を男性にも体感していただきたい!」。砂塩入浴4000円(2時間制)。住所/埼玉県熊谷市中曽根106-1、tel. 048-501-6426(予約制。受け付けは8:00〜21:00)。営業時間/10:00〜21:00(最終入浴は19:00まで)、無休。
工藤 小旅行にいいかも。いや〜、風呂談義はついヒートアップしちゃう。
門上 そんな時こそ水風呂です(笑)。
クドウが選ぶその他のおすすめ湯処
1. 改正湯
東京近辺に多く湧出する、天然温泉黒湯の炭酸泉や水風呂が自慢。「炭酸泉・水風呂と黒湯のハイブリッドは都内ではレアで面白い!」(工藤)。背景画の下にある鯉が泳ぐ水槽も風流。たまに、チョウザメが泳いでいることも(!)。入浴料/460円。住所/東京都大田区西蒲田5-10-5 改正ビル1F、tel. 03-3731-7078。営業時間・15:00〜24:30、金曜休。
2. COCOFUROますの湯
早朝から深夜まで営業。「高濃度炭酸泉の後は黒湯の水風呂へぜひ。水風呂は1人用の壺形なので、パーソナルスペースを確保しながらクールダウンできます」。入浴料/460円(サウナ込み)。住所/東京都大田区南久が原2-1-23 メゾン久が原1F、tel. 03-6410-4797。営業時間/6:00〜24:00、3・6・9・12月の第2木曜休。
3. 妙法湯
椎名町にある地元密着型銭湯。「今年改築したばかり。夏でも心地いい湯温の軟水炭酸シルキーバスがあり、この3点盛りは世界初とのウワサも」。肌の洗浄や保湿に効果的なマイクロナノバブル入りの炭酸泉ですっきり。水風呂もあり。入浴料/460円。住所/東京都豊島区西池袋4-32-4、tel. 03-3957-8433。営業時間・15:30〜25:00、月曜休。
カドカミが選ぶその他のおすすめ湯処
1. 深大寺天然温泉 湯守の里
一切加水しない源泉の黒湯に浸かれる日帰り入浴施設。「女湯の露天には岩風呂や壺風呂など計4種類の湯船と冷た〜い水風呂が。木や緑に囲まれてて夏場もそよ風が流れてきて恍惚」(門上)。入浴料/1,000円(サウナ込み、時間無制限)。住所/東京都調布市深大寺元町2-12-2、tel. 042-499-7777。営業時間/10:00〜22:00、無休(臨時休業あり)。
2. 東京前野原温泉さやの湯処
源泉掛け流しのナトリウム塩化物強塩温泉。「ここのスチームサウナは私でも楽しめます。週替わりで和漢薬草かヨモギの薬草を蒸してて清々しい。四季折々の岩盤浴もあり、夏は〝ととのい〟高めな高温岩盤浴!」。入浴料/870円(土日祝1100円)。住所/東京都板橋区前野町3-41-1、tel. 03-5916-3826。営業時間/10:00〜25:00、無休。
3. BathHaus
クラフトビールが飲める入浴&コワーキングスペース。「フリーランスの身としてはPC作業ができて、行き詰まった時に交互浴できるココは天国。水風呂もしっかり冷えてます。夏の快浴的には入浴後のビールで〆れば完璧(仕事後に限る…)」。入浴料/700円。住所/東京都渋谷区西原1-50-8 1F・B1。営業時間/9:00〜22:00(土日祝20:00まで)、無休。
銭湯ライター・工藤 亮
東京都浴場組合公認の銭湯ライター。銭湯検定4級保持。週1〜2で銭湯に通う。インスタは《@sento_writer》
水風呂ハンター・門上奈央
水風呂ハンター。本誌JUNGLE GYMで「門上in銭湯」を連載。季節を問わず水風呂ラブ。実はサウナは少々苦手。