「走ると脚が太くなる」は勘違い! “カラダの後ろ側”を使って美脚&美尻を作ろう
たくさん走ると脚が太くなってしまうのでは?という懸念は勘違い。ランニング前の簡単なエクササイズで“カラダの後ろ側”が使えるように慣れば、美脚&美尻になり、より速く走れるようにもなる。5つのエクササイズを習慣にして、より魅力的な体型を作ろう。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 取材協力/吉岡利貢(環太平洋大学体育学部体育学科/陸上競技部コーチ)
(初出『Tarzan』No.751・2018年10月11日発売)
走って痩せたいというニーズの背後には、スタイルを良くしたいという隠れたウォンツがある。ならば、走りながら気になる下半身を引き締め、美脚&美尻を手に入れるフォームの作り方を伝授しよう。
肝心なのは、カラダの前側ではなく後ろ側を使うこと。ランはそもそも股関節中心の運動。主役となるのは、太腿後ろ側のハムストリングスとお尻の大臀筋である。ハムと大臀筋は股関節を伸展させる働き(脚を後ろに伸ばす動き)があり、着地時の地面からの反力を効率的に推進力へ変えてくれる。股関節で走っていれば、ハムと大臀筋が鍛えられて美脚&美尻に近づけるし、贅肉が燃えて下半身がギュッと締まる。
ところが多くのビギナーは、股関節ではなく膝関節中心の小さな動きで走っている。膝を屈伸させると太腿前側の大腿四頭筋ばかりが使われるハメになり、上下動が生じて走りの効率が落ちて疲れやすいし、太腿が太くゴツく発達してマイナスだ。「走ると脚が太くなるからイヤ」という声を耳にするけれど、それは走り方が悪いだけ。ランに罪はない。
膝関節中心から股関節中心へ。走りをシフトするために事前に以下のドリルを行ってから走るのがお薦め。簡単だからぜひ試してみて。
目次
1. ランジウォーク(左右交互に各10回)
大腿四頭筋を使わないランジウォーク。片足を大股1歩前に踏み出し、上体を深く沈める。前脚の膝の真上に股関節を乗せるイメージで股関節を伸ばして立ち上がると股関節の伸展筋であるハムと大臀筋が使える。
2. ダイナミックストレッチ(左右交互に各10回)
ハムストリングスを伸ばすダイナミックストレッチ。前方へ腕を振って歩きながら3歩目で片脚を伸ばしたまま高く蹴り上げ(軸脚は爪先立ち)、対角の腕を後ろから前に回して爪先にタッチする。
3. 踏みつけ&ステップ(左右交互に各5回)
片足で真下の地面を強く踏みつけ、その反動で反対の膝を高く引き上げる。走るときと同じように両腕を振りながら左右交互に各5回行ったら、次は着地時に2ステップしてさらに弾む感覚を摑む。
4. 腕振り+スキップ(20〜30m)
踏みつけ&ステップで弾む感覚をインプットしたまま、前方への推進力を高めるドリル。両腕を伸ばしたまま、できるだけ大きく前後に振りながらスキップする。上体は地面と垂直に起こして、ゆったりしたリズムで。
5. 両腕反対回し+スキップ(20〜30m)
左右の腕を前後反対方向に回しながらスキップ。着地のタイミングは両腕が上と下で揃ったとき。初めに立位で両腕を逆方向へ回す練習をしてからスキップする。上半身と下半身の動きがシンクロして弾みやすくなる。