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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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自律神経にダイレクトに影響するのは、ずばり職場の人間関係のストレス。心のヒリヒリを軽くする秘策を考えよう。
精神的ストレスを被る可能性がダントツに高い場所。それはやはり職場。ストレスの多くは仕事の内容や量より、もっぱら人間関係によってもたらされる。
多少厄介な仕事だろうと量が多かろうと、自分の裁量で仕事ができたり、職場の雰囲気がよかったり、仕事が完了した後の達成感が得られれば、人はまあ大丈夫。
逆に、職場の雰囲気が最悪で上司とも同僚とも部下とも良好なコミュニケーションがとれない。そんな状況ではストレス過多で常に交感神経がヒートアップ。挙げ句の果てに体調を壊して長期療養、なんてことにもなりかねない。
では自律神経のバランスを崩さないコミュニケーション術とはいかなるものか?
自分の存在をゴムボール、ストレスをボールにかかる圧力にたとえてみよう。方法は3通り。ひとつはストレスに負けじと跳ね返す方法。もうひとつは仕事と全然関係ない楽しみを見いだしてガス抜きする方法。そしてストレスをうまいこと逃がしてやりすごす方法。マスターすべきは、この“逃がしメソッド”。
ポイントは物事を多角的に捉え、柔軟にカラダをかわすこと。上司、同僚、部下の対人別ケーススタディの2択で正しい対処法を体得せよ! 今回はまず、上司の一言への対策だ。
どちらを選ぶ?
A. 「いつか必ずパワハラで訴えてやる」
B. 「相変わらず理不尽なこと言うな〜」
ダメ出しすること自体は構わない。しかし最後のひと言は、嘲笑、侮辱、皮肉に当たる明らかなパワハラ。
そしてひょっとすると、「ボク」の渾身の企画書はすごくいい内容だったかもしれない。でも現実的には、既得権益や社内のパワーバランス、とことんコンサバな社風などなどがないまぜになり、本当にいい企画が必ずしも認められるわけではない。
自律神経のバランスを維持するためのセオリーその1は、世の中はそもそも理不尽なものであると心しておくこと。理不尽な注文をつけてくる取引先も理不尽な業務命令を言い渡す上司も決してレアな存在ではない。
鋼の心をもって真っ向から跳ね返すのではなく、風にそよぐ柳のごとく理不尽さを受け流すしなやかさを身につけよう。
その憤懣を、こんな上司の下でやっていける自分はこの先どんな部署や会社に行っても通用する、という自信に変える。というわけで正解はB。
どちらを選ぶ?
A. 「期待されているから重要な仕事を任されたんだ」
B. 「ミスしないよう細心の注意をしよう」
入社10年目にして、社運を懸けた一大プロジェクトのリーダーに抜擢された「ボク」。
びびってミスしないことだけに囚われていると、あっという間にプレッシャーに押し潰されてしまう。もしくは、自分にはまだそんな実力ないのに、もしかして上司の嫌がらせ?的な疑心暗鬼に陥ることも。
ここは物事を別の角度から見るという試みをしてほしい。「なんでそんな重要なことを自分に…」ではなく、「そんな重要なことを任されるんだから、期待されているんだ」とAのような考え方にシフトする。
上司に怒られたときも、また同じ。「自分ばかり怒られている」という考え方を転換して、「怒ってもらえるうちが花」「期待されているから怒られるんだ」と捉えるクセをつける。
筋肉が一度傷ついて超回復をするように、凹んだり傷ついたときこそが成長のチャンス。パラダイムシフトの蓄積が盤石な自律神経バランスの土台となる。
どちらを選ぶ?
A. 「来月はもっとノルマ達成に近づくよう頑張ろう」
B. 「気にせずマイペースでいこう」
ベンチプレスのウェイトを向上させていくように、しっかり目標を掲げ、それに向かって努力することはとても重要。ただしその場合、自分でコントロールできることとできないことを見極めることは、さらに重要だ。
たとえば、今月のノルマが100万円の売り上げだったとしよう。このとき「100万」という数字を目標にしてしまうとちと危険。なぜなら、売り上げの数字は景気の動向や客の都合によって左右されるからだ。
これに対して、客に対して売りたい商品の特徴を完璧に説明し、かつ購買欲を刺激するプレゼン技術を磨く。そういった目標は自分自身でコントロールすることが可能。
もし、ノルマが達成できなくて怒られてしまっても、自分は努力して以前よりいいプレゼンができるようになった。数字は達成できなかったけど、ひとまずそれでいいじゃん、と思えるはず。Bの心持ちでいけば、いずれ数字はついてくる。
取材・文/石飛カノ イラストレーション/井内 愛 取材協力/吉野 聡(新宿ゲートウェイクリニック院長・吉野聡産業医事務所代表)
(初出『Tarzan』No.698・2016年6月23日発売)