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《MAGIC SPEED 3》で東京レガシーハーフマラソンへ。初めてのカーボンプレートシューズはどうだった?
〈東京レガシーハーフマラソン2023〉で、2時間切りに挑戦した『ターザン』編集部のハセ。勝負シューズに選んだのは、人生初体験のカーボンプレート搭載シューズとなる〈アシックス〉の《MAGIC SPEED 3》! その結果やいかに。
取材・文/神津文人 撮影/石原敦志
カーボンプレート搭載シューズってどう履けばいい?
以前から、興味はあったもののカーボンプレートを搭載した厚底ランニングシューズを履いたことがなかったハセ。上手く履きこなすためには、どうすればいいのか。目標達成にはどのような準備をすればいいか。アシックスランニングクラブのコーチである小谷浩さんの元を訪れた。
過去に「ASICS RUN TOKYO MARUNOUCHI」でフォームチェックをしてもらい、練習会に参加したこともあるハセ。練習では主に《EVORIDE SPEED》を着用している。
「最近の練習でのタイムを聞く限り、トラブルがなければハセさんは問題なく2時間切りできそうですし、走力的にも問題なく《MAGIC SPEED 3》を履きこなせると思いますよ」と小谷コーチ。
「《MAGIC SPEED 3》の反発性の高さにまだ慣れていない感じがあって、それがちょっと本番で心配です」というハセに対して、
「ハセさんはヨガや剣道などの経験が活きているからか体幹、軸がしっかりしていますし、カーボンプレートが搭載されていることをあまり深く意識せずに、身を任せて走ってしまって大丈夫だと思いますよ。上に跳ねる感覚があるなら、もう少しだけ前傾姿勢を意識すると、シューズの反発を上手く前に進む力に活かせるかもしれません」とアドバイスをくれた。
そして〈東京レガシーハーフマラソン2023〉に参戦予定だという小谷コーチにコースの攻略法も教えてもらうことに。
「靖国通りに出るまではおそらく団子状態なので、最初の2kmは焦らずにウォーミングアップだと思って進みましょう。人混みをかき分けて走ると無駄に消耗するので。5kmまでは下りが続きます。スピードを上げる必要はないですが、変にブレーキをかけ過ぎないように気をつけましょう。15km以降が上りになります。疲れてきたら、足裏全体で押し込むような接地を意識すると、シューズが上手く助けてくれると思います。楽しみながら頑張りましょう!」
いざ、雨の東京レガシーハーフマラソンへ!
8月の月間走行距離は85.2km。ハイペースの3km走と、5〜8kmのジョグを中心にトレーニング。9月は仕事が忙しくなったこともあり、月間走行距離は50.1kmに止まったものの、15km走と17km走をこなし、目標達成へ向け最低限の準備はクリア。
レース前1週間は小谷コーチのアドバイスに従い、無理はせずコンディションを整えることに注力した。
レース当日の天候は雨。雨脚は強くハードなコンディションだが、目標を変えることなく2時間切りを目指すことに。
ハセはHブロック。やや後方のブロックだったおかげで待機場所は屋根の下。雨に打たれながらスタートを待つ時間がなかったのは幸運だった。号砲から約12分後にスタートラインを超え、悪天候ながらもMGCとの同日開催で盛り上がっている東京の街へと走り出した。
「小谷コーチに言われた通り、最初の2kmほどは混雑していました。そこは慌てずに走れたのですが、その後の数kmは遅れを取り戻さなければと思ってペースを上げ過ぎたかもしれません」というハセ。
最初の5kmのラップタイムは25分33秒。序盤の2kmがスローだったことを考慮すると、その後の3kmは確かにハイペースだったようだ。
その後はリズムを取り戻し、5〜10kmを25分45秒、10〜15kmを26分27秒と軽快に足を進めていったハセ。先輩編集部員・タカハシが応援していた神保町駅近辺(約11.5km地点と、約13.5km地点)でも、タカハシの声に応える余裕があり、それほど疲労感はなさそうだった。
カラダに異変を感じたのは残り数kmの地点。レース前にエナジージェルで補給をしていたものの、寒さでエネルギーが奪われたのか急にガス欠に。慌てて給水地点でスポーツドリンクを飲んで、糖質を体内に送り込んだ。
ガス欠もあってラストは少々ペースダウンしたものの、しっかりと粘ってフィニッシュラインへ。
タイムはネットで1時間50分44秒! 大幅に目標タイムを上回った!
《MAGIC SPEED 3》は凄かった!
今回のレースでハセが勝負シューズに選んだのは《MAGIC SPEED 3》。〈アシックス〉のトップレーシングシューズの機能とデザインを引き継ぎながら、より多くのランナーが活用できるカーボンプレート搭載シューズとして、この夏に登場したモデルだ。
ミッドソールにはFF BLAST PLUS(エフエフ ブラスト プラス)という高反発で軽量な素材を採用。2層のミッドソールに挟まれる形で、カーボンプレートが搭載されている。アッパーには軽量で通気性に優れたモーションラップアッパーが採用されている。前作と比較して、反発性、クッション性が向上しただけでなく、軽量化にも成功している!
主に《EVORIDE SPEED》でトレーニングをし、《MAGIC SPEED 3》については慣れることに重きを置いて走り、本番を迎えたハセ。レース序盤にペースを上げたときと、脚が疲れてきたレース後半に、《MAGIC SPEED 3》の凄さを感じたという。
「出遅れを取り戻そうとペースを上げたときには、シューズが気持ちに応えてくれる感じで、無理なくスピードを出すことができました。レース後半は、ガス欠もあって、脚に結構疲労感があったんですが、小谷コーチのアドバイス通りに着地を意識して走ったら、力を使わなくても勝手に足が前に出てくれる感覚が得られて、最後の上りもそれほど苦にならず、前に進むことができました。
終盤にペースがそれほど落ちずにフィニッシュできたのは《MAGIC SPEED 3》のおかげだと思います。レース前半は特に雨が強かったですが、スリップを気にすることなく走れました! 今度は《MAGIC SPEED 3》でフルを走ってみたいです」
大雨のレースを走り切れたのは、雨天時でも優れたグリップを発揮するアウトソールの効果も大きそうだ。『ターザン』編集部・ハセの目標達成を助けてくれた《MAGIC SPEED 3》。今シーズン、自己ベスト更新を目指しているランナーの方たちは、一度足を入れてみてほしい。