【棚橋弘至・連載】第16回:アメリカ遠征で気づいた、環境とダイエットの相関関係
新日本プロレス「100年に一人の逸材」棚橋弘至が綴る、大胸筋のように厚く、起立筋の溝のように深い筋肉コラム。第16回のテーマは「ダイエットと環境」について。
遠征で自由度が下がったのが、逆に良い
現在、ヒューストン空港から、ロサンゼルス空港へ向かっている飛行機の中で書いています。アメリカで3試合する予定が組まれたので、2週間のアメリカ滞在(詳しくは棚橋選手のアメブロ「理想ルーム」)。現在、折り返し地点です。
僕のキャリアを振り返ると、実は海外遠征中に、肉体改造して、帰国というパターンが何度かありました。1か月、いや、2週間あれば3〜5キロ落とせる(はず)。残り1週間でなんとか!?と、思ったりしますが、現時点では…とくに変化なし。
オカダ・カズチカ風に言うと「特にありません」。ちょっと、気合を入れ直さないといけませんね。
ダイエット失敗の原因は、運動不足よりも、食べ過ぎであることがほとんどです。1日の消費カロリーよりも摂取カロリーが上回ると、使いきれなかったエネルギーは体内で体脂肪として蓄えられてしまうからです。
この摂取カロリーが増えがちになってしまうのは、自由に好きなものが買える環境があるということが考えられます。夜のコンビニなんか最高ですよね♪ 時間があったら通いたいほどです(笑)。
しかし、現在、僕はアメリカ遠征中。食事に関していえば、日本にいるよりも自由度が下がっている状況です。これが、逆に良いのです。
食べる物は【①ホテルの朝食ビュッフェ、②近くのコンビニ・スーパーで買ったサラダとチキンとヨーグルト、③試合会場でのケータリング】くらいです。
ダイエットの肝は“意志”より“環境”?
ダイエットは「決まった時間に決まった分量だけ食べる」ということが基本なのです。僕は毎日同じ物でも美味しくいただけるという特技?もあるので、アメリカでの生活は向いているのかもしれません。
まぁ、夜中にお腹が空いても、ホテルの部屋にはプロテインくらいしかないし、コンビニへ行こうにも遠いし、「寝る」という選択肢しか残されていないというのもあります(笑)。
こうして考えると、ダイエットで肝心なのは「本人の決意」よりも「環境」なのではと…。
いや、もちろん、強い意志(鉄の意志)をお持ちの方も多くいらっしゃって、理想の体型になられています。凄いことです。尊敬の眼差しです。リスペクトです。
ですが、大半の方が、僕のようにダイエットの道半ばで、体重の細かい上下動を繰り返しても、長期的なスパンでみると「大きな変化なし」という結果になっているのではないでしょうか。はぁ、本当に、ダイエットって難しいですね(「映画っていいものですね」のトーンで)。さよなら。さよなら。
…いや、今回ばかりは、終われません。アメリカ遠征では大きな大会のメインイベントに出場するし、それが終わって帰国したら、ほどなくして、新日本プロレスの年間最大シリーズ「G1 CLIMAX 32」があるからです。
2022年のG1は逸材ボディに乞うご期待!
今年は、3年ぶりの夏開催。真夏の祭典が帰ってくるのです。このタイミングに合わせなくて、いつするんですか?と。「棚橋さん、あなたが『痩せなきゃ』と言い始めて、すでに2年と2か月が経過していますよ!」と。
皆さんも口に出さなくても、潜在意識の中に「カラダのここをもっとこうしたい」みたいな思いはきっとあるはず。そのきっかけを、いや、背中を押せるような存在でありたいと願うならば、僕はそろそろ理想の体型を完成させ、筋肉のアイコンに戻る日が来たのではないか…。
と、ダイエットに苦悩するアラフォーの悩ましい文章をつらつらと書いてきましたが、今回、言いたかったことをまとめると…「環境が体型を作る」ということです。家族の食事や会社での飲み会など、今一度、内容を見てみるといいかもしれません。くれぐれも「本人の意志も大事」という大前提があってですが。
さて、遠征中は、かなり食事制限し、時間があれば有酸素運動もやりました。皆さん、今年のG1開幕戦、棚橋の逸材ボディは要注目ですよ!まさに「鉄の意志が人の形をして歩いてる!」ってことになるかも知れません(笑)。
と、こうして「やる!やる!」と意気込みは書いてきましたが、機内食に必ず出てくる、しっとりとしたチョコのパンケーキは、超絶美味しいので絶対食べてしまいます(汗)。
つらつらと書いてきましたが、具体的に何をして体脂肪を落とすのか?それをちょっと書いておきましょう。
① 朝起きたら朝食前に有酸素運動30分
② タンパク質をしっかりとる(タンパク質は他の栄養素に比べて、体内での熱生産が高いそうです)
③ 毎日鏡を見る。変化がなければ随時変更
④ しっかり睡眠を取る
⑤ 頑張る
以上です。あと最後に、ダイエットで一番大切なことを書いておきます。それは、無理をして健康を害さないこと。何事も健康なカラダがあってのものですからね。
さ、G1まで、あと少し。逸材ボディを指折り数えて待っていて下さい!
『G1 CLIMAX 32』
今年のG1は3年ぶりに夏開催が決定! さらに史上最多の28選手がエントリーし最強戦士を争う!
棚橋弘至
たなはし・ひろし/1976年生まれ。新日本プロレス所属。立命館大学法学部卒業後、1999年デビュー。低迷期にあった同団体をV字回復に導き、昨今のプロレスブームをリング内外の活動で支える。