【棚橋弘至・連載】第10回:一年の筋は元旦にあり。逸材ボディの年間計画
新日本プロレス「100年に一人の逸材」棚橋弘至が綴る、大胸筋のように厚く、起立筋の溝のように深い筋肉コラム。第10回のテーマは「ボディメイクの年間計画」について。
長期と短期、両方の目標を立てよう
何事においても目標を立てることは、とても大切。
トレーニングに関しても、ただ何となく鍛えるよりも「大きくなりたい!」「痩せたい!」「モテたい!」と…いや、さらに言うと「大胸筋の広がりを出したい」とか「広背筋下部の厚みを」など、より具体的にイメージした方が良いのです。
目標の立て方としては、年間を通しての長期的なモノと1か月くらいの短期のモノを両方設定しましょう。まぁ、その目標を僕自身が達成できているかは、毎年怪しいところではありますが(汗)、2022年も、まずは目標を決めて行きましょう。
それと、目標を立てるタイミングも今がベストですね!
「一年の計は元旦にあり」と、言いますしね。意味は「一年のことは年の初めの元日に計画を立てて行うべきである。物事は初めが大事、しかもしっかりした計画のもと着実に行え」ということ。
ならば、「一年の筋は元旦にあり」と言い換えることもできるはず。トレーニーの皆さんもぜひ!
逸材ボディの年間計画を発表!
では、さっそく2022年の逸材ボディの行く末(言い方…)を年間でイメージしていきましょう!
1月
新日本プロレス年間最大のビックマッチ、東京ドーム大会。ここにピークコンディションを合わせる予定だったけど、間に合わず、日焼けをして誤魔化す。そして、2月にずれ込む。
2月
東京ドーム大会と横浜アリーナのビックマッチを終えた安堵感から気持ちに緩みが出る。食べ過ぎにより体重増加。結果、増量期に設定を変える。
3月
増量期が思いの外、長引いてしまい体重と体脂肪が増えた結果、鏡に映る自分を見て震える。気温が徐々に暖かくなる季節なので、有酸素運動を増やそうと誓う(ラーメンを食べながら)。
4月
この時点である程度、理想のカラダに近づけておく。年間を通してピークコンディションで闘い続けたいが、なかなか難しいので、せめて体重の変化の振り幅を少なくしておく。
5月
痩せる。
6月
頑張って痩せる。
7月
さらに頑張って痩せる。
8月
ここで一度、ピークコンディションに持っていく。筋肉が筋張り、腹筋もバキバキ。やったぜ逸材!
9〜12月
安定飛行。もはや浪漫飛行。
2023年
1月からピークコンディション!
これでどうでしょう。勢い余って2023年まで行ってしまいましたが(笑)。イ、イメージが大事ですからね。これで、2022年の活躍が見えて来ましたね。
…え?まだ見えない!? いやいや、ちゃんと法則があるのですよ。僕はビジュアルを自信に変えて闘うタイプと分析しているので、ビジュアルの完成度と試合結果は正比例することが多いのです。
「G1 CLIMAX」を最後に優勝したのが、2018年。この年までは、調整がバッチリできていた感覚があります。あの感覚をもう一度、味わいたいのなら、やるべき事は見えてきますよね。
「カラダは年々変化する」も意識すべし
皆さんも、良いイメージを持って、例えば何かの成功体験などを思い出すと、その達成感がトレーニングのモチベーションに繋がると思います。
20歳だったか、22歳だったか、一般的に、その年齢を境に基礎代謝は年々、落ちていくと言われています。食事の量もトレーニング内容も少しずつ変化させていく必要があるということですね。
まぁ、当たり前の事なのですが、僕がプロレスラー生活の中で、年齢と共に肉体の変化を見せてきたと考えれば、成功も失敗も無駄ではなかったかと思います(自己救済)。
2022年はベンチプレスの重量にこだわる
さて、しかしながら、残りのキャリアを思うと、立ち止まっている時間はありません。1日も早く理想の逸材ボディに近づけないと。しかも、過去最高の仕上がりで。やはり、目標を立てるというのは大切ですね。早くも2022年が楽しみになって来ました。ここでさらに追加の目標を思いつきました。
胸トレに関してですが、2021年はダンベルの種目を中心にやってきたので、2022年はベンチプレスの重量にこだわって行きます。2015年辺りだったかな?190kgを1回挙げたのが自己記録なので、目標は200kg!ひょっとしたら、パワーファイターになっているかもしれません(笑)。
この先、コロナの状況も少しずつ改善されていき、多くの方が当たり前の日常を楽しんで過ごせるように念じながら頑張っていきます!
その代わりと言っては何ですが、皆さんは、棚橋のカラダが順調に絞れて行くことを念じておいて下さい。…なんとかします!
棚橋弘至
たなはし・ひろし/1976年生まれ。新日本プロレス所属。立命館大学法学部卒業後、1999年デビュー。低迷期にあった同団体をV字回復に導き、昨今のプロレスブームをリング内外の活動で支える。