旬の素材の天婦羅と蕎麦。
天然の鮎、茄子など旬の食材に刷毛で丁寧に衣をつけ、サクッと揚げた天婦羅。それを堪能したら石臼挽きの香り高い十割蕎麦で締める。贅沢なコースをランチでも味わえるのが東京・神田の《松竹庵 ます川》だ。
天保元年創業と長い歴史を持つ老舗で迎えてくれたのは、かつてモーグル競技で活躍し、2003アジア冬季大会では金メダルに輝いた経験を持つ店主の益川雄さん。
益川さんはアスリートである一方、代々続く蕎麦店の8代目という顔もあった。
この元選手の店
「だからいずれは継ぐつもりでしたが、当時は五輪出場という夢があった。でもトリノ五輪の代表入りを逃し、次のバンクーバーは是が非でも出たいと必死でした。そんな折の2008年、先代の父が病に倒れ店を一旦閉めたんです。それで次の五輪に出られなかったら潔く辞めようと」
腰痛にも苦しみ2009年に引退した益川さんは料理学校で学び、和食店で修業。12年にお店を復活させた。
「競技に区切りをつけたつもりでも、大きく生活が変わったことで最初はやはり戸惑いがありました。でもお客さんに喜んでいただけるよう日々考え、料理に没頭するうちに、ここが次の僕なりのW杯や五輪のステージだと思えるようになったんです」
INFORMATION
松竹庵 ます川
住所:東京都千代田区神田淡路町2-6
TEL: 03-3251-1044(コースのみ予約可)
営業時間:11:30~14:30、17:30~21:00(L.O.20:00)土日休。
老舗が軒を連ねる神田界隈の人気蕎麦店。