〈Sud-Sud-Ouest〉のスウェットパンツとハーフパンツ

photo: Tomoo Ogawa text: Tarzan

初出『Tarzan』No.810・2021年5月13日発売

やらない、けど気になるテニスもの。

通勤で使う丸ノ内線四ツ谷駅のホームからはテニスコートが見える。赤い電車を待つ数分、学生が練習に励む姿をなんとはなしに眺めながら心の中で素振りをする。

ただ、テニスは一度もやったことがない。正確にいうと、ここ数年ずっとテニスがしたいと思っているけど、始めてはいない。始めてはいないけど、ずっとテニスものは気にしているから、それで満足しているところもある。

〈Sud-Sud-Ouest〉のスウェットパンツとハーフパンツ
色鮮やかなコートにはシンプルな服装が似合う、という考えから1989年に始まったテニスウェアブランドが、昨年リスタート。基本、配色はネイビーとホワイト。※販売終了。問い合わせ先/スドゥ・スドゥ・ウエスト 公式サイト

機能素材は数多くあれども、コットン多めのほうが強そう。

このスウェットパンツも、テニスウェアと聞いて買ったものだ。試合前のアップ用に、ハーフパンツの上から穿く。暑くなったら脱いで、そのまま試合に入る。だから、サイズはちょっと大きめを選ぶ。

ハーフパンツは、汗を吸わなくて軽いものを選ぶといいらしい。機能素材はたくさんあるけど、コットン多めのほうが強そうに見える、とは大学でテニスをしていた同僚の弁である。ポケットは、肌に張り付かないメッシュ地でとても深い。これは試合中、ボールを落とすと反則になるから、というのも前出の同僚に聞いた。

そもそもスポーツウェアの派手な感じが苦手で、いつもの服の延長で選びたいと思っている。ロッキーだって、スウェット上下で走ってたし。それに普段着として穿いている限りは、通勤中の四ツ谷駅と同じようにテニスを思い出せる。何をするにも気持ちのよい季節だし、ハーフパンツも発売されたばかり。いよいよ始めどきかなとは思っているけど、きっと思っているだけなんだろうなと、今日も心の中で素振りをしている。