またこの決勝では、2020年8月に現役を引退した元鹿島アントラーズ内田篤人選手がアンバサダーに就任。初の解説を通じて、決勝戦を盛り上げる。そんな内田選手に引退後の心境と、ルヴァンカップの見所について聞いた。
DF内田篤人選手が引退の挨拶を行ったのは、8月23日に行われたJリーグ第12節・鹿島アントラーズvsガンバ大阪戦終了後のこと。こみ上げてくるものをぐっと堪えながら、一言、一言、ファンに向けて想いを発する姿が印象的だった。
—— 引退挨拶では「日々練習していく中でカラダが戻らないことを実感した」とおっしゃっていました。今年のルヴァンカップはコロナ禍の開催ということもあり、いつも違う状況下であったことが自分のカラダを見つめ直すきっかけになったのでしょうか。
サッカー選手は多くの人が集まるスタジアムでプレーするのが一番だなと、今回のことで改めて思いました。観客のいない静かな空間では試合に対する熱がどうしても冷めてしまうけれど、それじゃあ大会も盛り上がらない。画面越しに見ても熱い試合というのをやりたいと強く思っていました。
引退に関してはコロナが原因ではなく、僕の場合は怪我(15年3月に右膝の膝蓋腱負傷)であり、手術でした。シーズン前は左右のバランスを整える筋トレを始め、臀部の強化、超音波や電気を使ったケアも行い、順調な仕上がりだった。これでダメなら引退だなと思えるほどやり切っていたので、心残りはないし、今はスッキリしています。
—— 長らく海外を経験されてきたなかで、日本のサッカーをどうご覧になっていますか?
海外に出て日本がすごいと感じたのは、子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、安心してスタジアムでサッカーを観戦できるところ。海外では日常茶飯事に乱闘も起こりますからね。日本にいると当たり前だけど、その環境がいかにありがたいことであるかを感じました。
サッカーの特徴でいうと、他の国ではスタイルがハッキリしているんです。たとえばイングランドならパワー、スピード。スペインだったら技術、ドリブルというように。日本ももう少し。そういったスタイルが明確に見えても面白いかなと思っています。
—— ルヴァンカップの決勝カードは、柏レイソルvsFC東京。内田選手が考える、決勝戦の見所について教えてください。
ルヴァンカップは全ての試合において、21歳以下の選手を1名以上先発に含めるという独自のルールがあります。若手の登竜門とも言われているので、次世代のスター発掘という意味では見応えがあると思います。
ただ注目の若手選手はと聞かれると…正直、今はいないです。
全体的に上手い選手が育ってきてはいるんです。ただ、ここから差が出るのは技術のうまさだけじゃなくて、自分の特徴を理解して、その武器を使える選手でなければならない。上手い選手と、試合で使える選手というのは別物。今後一発勝負の世界で経験を積みながら、育っていくのを楽しみにしているという期待を込めて、あえて名前は出しません。
若手以外では、柏レイソルにはオルンガ選手、FC東京にはレアンドロ選手と、前線にいい助っ人がいる。彼らがどれだけ爆発するかで、勝負の分かれ目が決まってくる。そのあたりが見所じゃないでしょうか。
今年8月まで第一線で戦ってきた内田選手だからこそ、選手の気持ちに寄り添い、ときに辛口なコメントも。「データに頼らず選手目線で語る」解説に、乞うご期待!
2020JリーグYBCルヴァンカップ 決勝
2021年1月4日(月)国立競技場にて14:35キックオフ
柏レイソル vs FC東京
フジテレビ系列にて全国生中継
https://www.jleague.jp/leaguecup/2020/final/
1月3日(日)には「前夜祭」のライブ配信も!
決勝前日の2021年1月3日(日)19時から、Youtubeの「Jリーグ公式チャンネル」にて「決勝前夜祭」をライブ配信予定。大会アンバサダーである内田篤人さんも出演し、決勝の見どころ解説や、決勝進出クラブへのインタビューが行われる。こちらも要チェック!