ウエンツ瑛士さんとマシンピラティス。「ピラティスは、まるで自分でできる筋肉の人間ドック」
取材・文/黒田創 撮影/小川朋央 スタイリスト/伊達めぐみ(UM)ヘア&メイク/KUBOKI(Three-piece) 撮影協力/pilates K
初出『Tarzan』No.796・2020年9月24日発売
いかに使えていない筋肉があるかを思い知った。
ウエンツさんとマシンピラティスの出合いは2年半前。
「最初はレッスンの一環。その後留学が決まり、イギリス在住のトレーナーを紹介していただき、向こうで真剣に学びました」
本格的に取り組んだきっかけは?
「いろんな役柄を演じるなかで、自分のカラダを理解し、使い方を知ったうえでやるのとやらないとでは演技に差が出る気がしたんです。若い頃は何をやるのも力任せだったけど、ピラティスは正しいポジションで、理にかなった動きをする必要がある。いかに使えていない筋肉が多く、できない動きがたくさんあるか思い知らされました。でも、やるたびにできることが増えていく。赤ん坊の頃って、こんな感じで歩いたりできるようになったんじゃないかなって」
そこでどんな変化が起きたのか。
「疲れにくくなったし、どんな動きをするのも楽になりました。最近は散歩が趣味になりましたね。長時間歩くことで正しいカラダの使い方をずっと覚えておきたいんですよ」
男性にこそピラティスをおすすめしたい。
ピラティスで足元からカラダを整えることで、ダンスひとつとっても、振り付けだけではなく動作を理論的に組み立てられるようになった。
「正直、ピラティスの動きは地味です。でも楽しい。カラダの変化に敏感になるし、その改善方法もわかってくるのが面白い。筋肉と関節の”人間ドック”をやっている感覚なんです。30歳過ぎって、カラダが老化に向かい始める年齢じゃないですか。そのタイミングでピラティスに出合えたのは本当によかったと思っています。女性の印象があるけど、普段筋トレするような男性にこそピラティスをおすすめしたいですね」
「コロナの影響もあってスタジオに来るのは久しぶり。やっぱり楽しいですね」。ウエンツさんのスマホのメモ帳にはプログラム名と各ポイントが英語でビッシリ書いてある。マシン(リフォーマー)を使い体側を伸ばしたり、腹筋や腕、背中など部位にアプローチしたり。イメージ通りに動けるようになるのが何より嬉しいと話す。