「このラケットを振り切って、スランプを脱することができました」(プロテニス選手・土居美咲)
text: Kai Tokuhara photo: Yuichi Sugita illustration: Shinji Abe
初出『Tarzan』No.779・2020年1月4日発売
日本の女子テニス界屈指の実力者である土居美咲選手はプロデビュー時から〈ダンロップ〉のラケット《CX200》を愛用。
「私はボールをしっかり“つかめる”ことを重視しています。抽象的ですけれど、その点でこのラケットは自分が思い描く通りにボールにスピンをかけられますし、しっかりコントロールしてコート上の狙ったところにボールを落とせる感覚があります」
またシューズサプライヤーは〈ニューバランス〉。WTAツアーに参戦するプロは一年中、世界を飛び回りながら毎週のようにトーナメントに参戦するので、当然ラケットやシューズと過ごす時間が長い。
「ラケットはフルにプレーするとガット(ストリングス)が4時間ほどで切れてしまうので5本は持っていきます。シューズは3〜4足で、試合にはなるべく足に馴染んだものを使いたいので、新品ではなく数日前から履き慣らして臨みます。いい時も悪い時も常に一緒ですから、数少ないオフくらいはちょっと離れたいですけれど(笑)」
そう言いつつ、こんなエピソードも。
「長いスランプが続きランキングもかなり落としていた中で出場した18年の『バンクーバー・オープン』。大会を通して生命線のフォアハンドをしっかり振り抜くことができて優勝できたのですが、その時はラケットと一体になれた気がしましたね。決勝の後に映像を見ると自分でもちょっと引くくらい腕を振っていました。
今後も常に目標にしているグランドスラムで好成績を残せるように、その経験を生かしたいですね」