いま着たい服、使いたいもの全部【Tarzan Locker-Room】|May 23, 2019
『ターザン』本誌のファッション連載〈ロッカールーム〉より、旬のアイテムをお届け!
photos: Tomoo Ogawa styling: Shinichi Sakagami edit & text: Kyosuke Nitta
(初出『Tarzan』No.764・2019年5月9日発売)
目次
今着たいのは、軽やかな“細ストライプ”。早く来い、夏。
澄み切った青い空、太陽のキラキラした瑞々しい光。頰に当たる冷たい風が心地いい。そんな清々しい日には、爽やかなストライプを軽快に重ねたい。
(写真左から)〈ラルフ ローレン〉のスイングトップは、パリッとした質感のコットンブロードが魅力。たっぷりな身幅でアームも太めだが着丈は短め。まさにドンズバ。25,000円(ラルフ ローレン/ラルフ ローレン)
〈ヤエカ〉が定番で展開しているレギュラーカラーのコンフォートシャツに新しく加わったのはバンカーストライプ。英国の銀行家やビジネスマンが好んで着たことからその名前がつけられた柄で、絶妙なピッチと細さが完璧。19,000円(ヤエカ/ヤエカ アパートメント ストア)
コシのある生地感と膝下からのテーパードが上品な〈メゾン キツネ〉のチノパン。27,000円(メゾン キツネ/メゾン キツネ)
英国の〈マーティン フェイジー〉の新作は伸縮性のあるリングベルト。9,000円(マーティン フェイジー/原宿キャシディ)
〈カーハート WIP〉の《キックフリップバックパック》は24Lで収容力もありポケットが機能的。12,000円(カーハート WIP/カーハート WIP ストア トーキョー)
クッション性とホールド力をさらに高めた〈ニューバランス〉の《990》モデル最新作《990V5》。アメリカ製。春の大注目はコレだ。28,000円(ニューバランス/ニューバランス ジャパン)
スタンダードに隠された小さな遊び心。
ベーシックでありながら、さりげない遊び心がある服に男は弱い。〈ブルックス ブラザーズ レッド フリース〉の今季のシアサッカージャケットは、ノッチドラペルの幅も、ポケットの仕様も、身幅もオーセンティック。
だが、細部を凝視すると、袖に配された4つのボタンの1つだけが赤い糸で留められているのだ。このわかりにくいディテールにロマンがある。33,000円(ブルックス ブラザーズ レッド フリース/ブルックス ブラザーズ ジャパン)
春色のマドラスで一新したワークシャツの定番。
〈エンジニアド ガーメンツ〉が定番で展開する通称“山ポケシャツ”。これまでさまざまな素材や柄でリリースされてきたが、2019春夏のマドラスチェックはまさに今の気分のド真ん中だ。
猫目ボタンやエルボーステッチなどの古き良きワークウェアのディテールはそのままに、濃淡のブルーとベージュのチェックが春の清々しい風景を想起させる。白Tの上にばさっと羽織りたい。29,000円(エンジニアド ガーメンツ/エンジニアド ガーメンツ)
川・山・街。全フィールド対応。
アクティブな季節に重宝するのが〈キーン〉の《シティズン エヴォ ミッド ウォータープルーフ》だ。アッパーのニット素材は川で水に濡れてもすぐ乾き、風通しも抜群でいつでもサラリ。
ポリウレタン製のフットベッドは足裏にばっちりフィットするし、踵のホールド感も高いからハイキングや軽登山でも頼もしい。普段穿く軍パンにも、渋いコヨーテは好相性。17,000円(キーン/キーン・ジャパン)
アメリカの作業着で梅雨を乗り切る。
ハイテクなレインウェアもいいが、ローテクな雨合羽にも目がない。今季上陸した〈ラフ ダック〉は、北アメリカで漁師や酪農家に愛用されているガチな作業着だけあって200デニールの厚いナイロンは超タフ!
おまけにポリウレタンコーティングが施されているから雨が降ってもなんのその。ラグラン袖の中途半端な場所に縫い付けられたUSA製タグも最高だ。19,800円(ラフ ダック/ユーソニアン グッズ ストア)
薄くて軽くて斬新なドイツ製アイウェア。
2017年にドイツで設立された〈ハフマンス&ノイマイスター〉は、〈MYKITA〉の創設者ハフマンス兄弟とギャラリストのジャン=ピエール・ノイマイスターによるブランドで、ボストン型の《Inglewood》はクラシックなのに構造は画期的。
板状のメタルを切って成形しているから極薄で軽く、蝶番はネジではなく独自開発されたリングスクリュー仕様。工業製品的な佇まいがクール。45,000円(ハフマンス&ノイマイスター/コンティニュエ)
眩しい太陽が似合うプルオーバーシャツ。
スウェットパーカやポロシャツなどの“カブリもの”は永久に不滅だ。今季特に心奪われたのは〈ホワイトマウンテニアリング〉のプルオーバーシャツ。光沢感のあるコットンは眩しい日差しに映えるし、ストライプもシックで知的。
裾から約5cm部分を異なるストライプ柄で切り替えたり、後ろ身頃を長めに設定するなど、緻密に計算されたデザインワークに惹かれる。27,000円(ホワイトマウンテニアリング/ホワイトマウンテニアリング)
光で表情を変える“タマムシツイル”。
春のショートブルゾンの定番といえばハリントンジャケット。今加えるなら〈ブルー ブルー ジャパン〉の新作を。フォルムは《G9》型だが、生地へのこだわりがすごい。
ビンテージのコートなどで見かける玉虫コットンツイル生地をオリジナルで作っていて、光の加減や着用時の動きでオレンジ色が表情を変える。その塩梅も絶妙で、艶っぽいというより若々しい。とにかく太陽が似合う。36,000円(ブルー ブルー ジャパン/オクラ)
プレッピーで軽やかな北欧発のパジャマ。
フランネルのパジャマだといよいよ暑くなってきた。軽快なコットンに生地替えをするならば、2016年にスウェーデンで生まれたパジャマブランド〈ヌフェルトン〉を推したい。ネイビー×グリーンのストライプがプレッピー好きの心を揺さぶり、小さめの襟がチャーミング。
着た瞬間に寝転びたくなるぐらいのリラックスフィットだし、ウェストのデカいポケットも使い勝手がいい。27,000円(ヌフェルトン/メイデン・カンパニー)
内側に隠れたアナーキーな精神。
今シーズンの〈イーストパック×ラフ・シモンズ〉は、「ポータブル・ポスターズ」というテーマを掲げており、一見すると2層のジップポケットにフラップが付いた機能的なウェストバッグ。でも、裏をめくると80年代のパンクバンドのポスターを連想させる写真がド派手な黄色で描かれているのだ。
見えない部分で主張する、そのアナーキーさにグッとくる。13,400円(イーストパック×ラフ・シモンズ/イーストパック)
ランニングの後はやっぱり麦茶だ。
もうすぐ夏。走って汗をかいた後のミネラル補給にはやっぱりキンキンに冷えた麦茶をがぶ飲みしたい。1825年にイタリア・パルマで創業したガラスウェアメーカー、ボルミオリロッコ社のガラスジャグは、ハンドルも太くて持ちやすく、キャップ内側のノズルを回すと完全密閉できるスグレモノ。
これで麦茶を注いだらウマいだろうなぁと暑い季節が俄然待ち遠しい。1,350円(ボルミオリロッコ/ザ テイストメイカーズ アンド コー)
一枚で着て様になるブロードのB.D.シャツ。
〈ワコマリア〉といえば派手でアヴァンギャルドなイメージが強いが、本質はそこではない。作りの良さである。ブロードのB.D.シャツは、触った瞬間に上質だと頷けるほど滑らかでコシがあり、細部に至るまで縫製が丁寧で上品。
襟まわりのロールもニュアンスがいい感じに出るように計算されているし、サイドスリットはマチ付きで、タックアウトしたときまで絵になる。20,000円(ワコマリア/PARADISE TOKYO)
組み合わせが異色な水陸両用セットアップ。
コーチジャケットとジョガーパンツという異色な組み合わせがやけに胸を打つ〈グラミチ〉のセットアップは、塩素にも強いシェルを使用しているからプールなどの水場でも無敵。
胸に刺繡されたお馴染みのマークもさりげなくていいし、パンツもテーパードが効いていて、都会的なシルエットがパーフェクト。聡明なネイビーの発色もそそられる。ジャケット12,800円。パンツ10,800円(共にグラミチ/インス)
INFORMATION
・ラルフ ローレン tel. 0120-327420
・ヤエカ アパートメント ストア tel. 03-5708-5586
・メゾン キツネ tel. 0120-667588
・原宿キャシディ tel. 03-3406-3070
・カーハート WIP ストア トーキョー tel. 03-3402-9810
・ニューバランス ジャパン tel. 0120-850997
・ブルックス ブラザーズ ジャパン tel. 0120-185718
・エンジニアド ガーメンツ tel. 03-6419-1798
・キーン・ジャパン tel. 03-6416-4808
・ユーソニアン グッズ ストア tel. 03-5410-1776
・コンティニュエ tel. 03-3792-8978
・ホワイトマウンテニアリング tel. 03-6416-5381
・オクラ tel. 03-3461-8511
・メイデン・カンパニー tel. 03-5410-9777
・イーストパック www.eastpak.jp
・ザ テイストメイカーズ アンド コー tel. 03-5466-6656
・PARADISE TOKYO tel. 03-5708-5277
・インス tel. 0120-900736