- 公開:
ポーズを取らない究極の「ずぼらヨガ」で、眠りの悩みを解決!
血液循環を促すヨガは脳疲労の改善にも役立つ。なかでも、「元気を回復させる」という意味を持つリストラティブヨガを試したい。“ずぼらヨガ”とも呼ばれるリストラティブヨガは、パワーヨガやホットヨガのようにハードなタイプではなく、心身の負担ゼロで疲れをリカバリーできるのだ。
目次
頑張らなくていい、リストラクティブヨガ
枕やブランケットなど家にあるもので簡単に始められるリストラティブヨガ。あまり聞き慣れないヨガだが、“究極のずぼらヨガ”としても注目を集めている。
「自ら頑張って難しいポーズを取るのではなく、クッションなどに身を委ねるだけの究極のずぼらヨガ。楽な姿勢で深い呼吸を続けると、副交感神経が優位になります。病気でも行えるので、アメリカではメディカルヨガとして医療分野でも応用されており、日本でも産後うつからの回復などに活用する動きが広がっています」(日本ヨガメディカル協会で代表理事を務める岡部朋子さん)
今回は眠りたいのに眠れない5つのシチュエーション別に、岡部さんにオススメのポーズを1種目ずつ選んでもらった。さっそく、入浴後の入眠ルーティンの一つに取り入れてみよう。
1. 仕事などで頭が興奮して寝付けないなら…
10分間の「ブリッジ」で頭寒足熱を目指す
ヨガで行う逆立ちのポーズのずぼらバージョン。頭を心臓より低くすると頭に一度血液が集まり、それから心臓と腎臓で還流して循環が良くなるため、排除したい疲労因子FF(Fatigue Factor)の処理を促せる。東洋医学でいう「頭寒足熱」に近い状態を狙うことができる。
始める前に簡単セッティング

枕とT字を作るようにブランケットやバスタオルを畳んで厚みを出して置く(肩甲骨からお尻まで乗せられる長さにする)。

2. 心配事があり、クヨクヨして眠れないなら…
左右それぞれ3分の「ツイスト&オープン」でデトックス
ヨガの世界では、クヨクヨすると体側(たいそく)が硬くなると考えられている。硬くなった体側を捻って伸ばすことで、柔らかくほぐして悩みもデトックス。捻ると腎臓が刺激されるため、疲労因子FFの処理も促される。
始める前に簡単セッティング

枕2個を重ねて置く。なるべく厚みがあり、フカフカのものを用意する。
3. 途中で目が覚めて寝付けないなら…
1分間の「魚のポーズ」でリラックス
ヨガでおなじみの「魚のポーズ」のずぼらバージョン。ヨガでいう「喉のチャクラ」を開いて胸を伸ばし、心身を一度リセットしてから呼吸を通してリラックス感を得る。副交感神経を優位にスイッチしていくことで寝付きの悪さを改善できる。
始める前に簡単セッティング

枕2個を重ねて置く。なるべく厚みがあり、フカフカのものを用意する。枕2個を重ねて置く。なるべく厚みがあり、フカフカのものを用意する。

4. 立ちっぱなしで足腰が疲れているなら…
「マウイのポーズ」をゆっくり20分以上
脚を高く上げ、膝と股関節を軽く曲げることで下半身に溜まった体液のスムーズな循環を促す。タオルで目と耳を覆うことで、情報を遮断して副交感神経を優位にしやすい環境を整えることも大事。
始める前に簡単セッティング

椅子から少し離し、ブランケットやバスタオルを畳んで厚みを出して置く(背中から腰まで乗せられる長さにする)。タオルを筒状にまとめ、もう1枚タオルを準備する。

5. 長時間の移動でカラダがこわばっているなら…
左右各1〜2分の「ハトのポーズ」で疲れスイッチオフ
新幹線や飛行機などで坐りっぱなしで同じ姿勢を続けていると、股関節やお尻、太腿の筋肉が硬くなり、疲労因子FFが滞って交感神経のスイッチが切れない。そこで、「鳩のポーズ」で凝り固まった筋肉を緩める。
始める前に簡単セッティング

枕2個とクッション2個をそれぞれ重ねて置いて並べる。どちらもなるべく厚みがあり、フカフカのものを用意する。 枕2個とクッション2個をそれぞれ重ねて置いて並べる。どちらもなるべく厚みがあり、フカフカのものを用意する。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 取材協力/岡部朋子(ルナワークス)
(初出『Tarzan』No.757・2019年1月24日発売)