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元MLBのヘッドストレングスコーチに教えてもらった「アスリートの体幹トレ」

アスリートが取り組む体幹トレ

最前線のアスリートを数多く指導する友岡さんが、独立した体幹ではなく、連動する体幹を教えてくれた。ここはチャレンジというより「トレーニング図鑑」として眺め、アスリートが取り組むメニューの意味を感じ取ろう。

教えてくれた人:友岡和彦さん(写真右)

2023年最新 体幹トレ 元MLB HSC

ともおか・かずひこ/パフォーマンスコーチ、CREED PERFORMANCE創設者。立教大学卒業後、フロリダ大学でエクササイズとスポーツ科学を学び、MLBで長年ヘッドストレングス&コンディショニングコーチを務める。

※実演者はトレーナーの新井茉陽さん(中央)と河尻翔さん(左)。

アスリートにとって体幹作りは絶対の必修科目。

「体幹を力まずに安定させ、中心から末端の手足を加速するのが、体幹を鍛える狙いです」。そう語るのは、トップアスリートに最新の体幹トレを指導するパフォーマンスコーチの友岡和彦さん

アスリートに高いレベルで求められるのは、ひと口で言うと“ダイナミック・スタビリティ”。日本語だと「動的安定性」。矛盾した表現に聞こえるけれど、その矛盾を違和感なく自然体で解消するために、日々の地道なトレーニングが必要になる。

「ターゲットが明確な筋トレと違い、“このエクササイズ、どこに効くの?”という反応が返ってくるのが正解。全身の動きの効率性を高めるのが目的なので、どこか特定の部位に“効く”のはNGなのです」

ここでは、アスリート仕様のハイレベルな体幹トレの一端を、友岡さんに紹介してもらった。ギアが必要な種目も多いので、運動選手になったつもりで各エクササイズを眺めてみよう。

紹介するトレーニングの構成

レベル1:ブレーシング系コア(下肢スタティック+上肢ダイナミック)

レベル2:ブレーシング系コア(下肢ダイナミック+上肢ダイナミック)

レベル3:インテグレーション(下肢+上肢+体幹の統合)

全身を連動させて使うため、体幹トレは上半身や下半身のトレーニングとセットで行う。下半身トレ+レベル1&2、上半身トレ+レベル2&3など、ランダムに組み合わせる。

レベル1|下半身を安定させて上半身を動かす

ランドマイン・アラウンド・ザ・ワールド(左右交互に6往復×3セット)

使用するギア:ランドマイン スリーブ

アスリート界隈でもっともホットな体幹ギアの一つ。バーベルのシャフトの片側を、プレートを使って床面で固定する器具。多彩な使い方ができる。ランドマインとは「地雷」のこと。

2023年最新 体幹トレ 元MLB HSC ランドマイン スリーブ

ランドマイン スリーブのシャフトの端を両手で持ち、45度ほどの角度で構える。両足は肩幅で両膝を軽く曲げて、頭から踵まで一直線に保って軽く前傾する。

両腕を伸ばしたまま、できるだけ大きな半円を描くようにシャフトを回したら、片側の肘を脇腹につける。

一瞬呼吸を止めたら、反対側へ回す。左右交互にゆっくり確実に続ける。

ローマンベンチ・ラテラルフレクション&アームプレス(左右各10回×3セット)

使用するギア:ローマンベンチ

ジムに必ず1台は置いてあるアイテム。一般的には背中(脊柱起立筋)を鍛えるバックエクステンションに使われることも多いが、アイデア次第では体幹トレに応用することもできる。

2023年最新 体幹トレ 元MLB HSC ローマンベンチ

骨盤の横の出っ張り(腸骨稜)のやや下にベンチの端が来るように、ローマンベンチで横向きになる。

下の脚を前、上の脚を後ろに置いて、フットレストにかけて固定。両手でダンベル1個を横向きに持ち、肘を曲げて胸の前で構える。

上体を床と平行になるまで真横に傾ける。上体をまっすぐに戻し、両肘を伸ばしてダンベルを頭上に押し上げ、戻る。左右を変えて同様に行う。

アクアバッグ・トールニーリングローテーション&プレス(左右交互に各5回×3セット)

使用するギア:アクアバッグ

水を入れた筒状のバッグ。水の重みがウェイトの代わりになるばかりではなく、エクササイズ中にバッグ内で水が自在に移動することにより、不規則かつ新鮮な刺激を体幹に加えられる。

2023年最新 体幹トレ 元MLB HSC アクアバッグ

バランスマットに両膝立ちになり、アクアバッグのベルトを両手に持ち、手首を返して上腕の前で抱える。頭から膝まで床と垂直に。

体幹を捻り、バッグを真横に向ける。肘を伸ばしてバッグを斜め上に押し上げる。

肘を耳の後ろにしっかり引き、重量挙げのフィニッシュのように一気にバッグを押し上げ、肘をロックしてお腹に力を入れる。元に戻り、左右交互に続ける。

レベル2|下半身&上半身を協調して動かす

ケーブル・フロントランジ&パロフプレス(左右各8回×3セット)

使用するギア:パロフプレス

ケーブルやチューブなどを用い、水平面に負荷をかける、もしくは体幹の回旋筋群を鍛える等尺性(アイソメトリック)のコアエクササイズ。腰痛を起こすリスクが低いことが知られている。

パロフプレス 2023年最新 体幹トレ 元MLB HSC

ケーブル(またはチューブ)をヘソの高さで左側に固定。十分なテンションが得られるまで離れる。ハンドルを両手で持ち、脇を締めて肘を曲げ、みぞおちで構える。両足を腰幅に開き、爪先と膝を正面に。

右足を大股1歩分前に踏み出し、左膝を床に突き刺すようにしゃがみ、前後の膝を90度曲げる。上体を床と垂直に保ち、両腕を床と平行にみぞおちの真正面へ突き出し、戻る。

両腕が左のお尻から生えている意識で左側のお尻で姿勢を保つ。左右を変えて同様に行う。

ケトルベル・ウィンドミル(左右各6回×3セット)

使用するギア:ケトルベル

底が平らな鉄球に取っ手が付いたギア。フォルムがヤカン(ケトル)に似ていることからこの名がある。持ち方により、通常のダンベルより重心が手から離れ、筋肉に多彩な刺激が入る。

2023年最新 体幹トレ 元MLB HSC ケトルベル

右手にケトルベルを持ち、両足を腰幅に開き、左足の爪先を左側へ45度ほど向ける。エクササイズ中はつねに、右足に70%、左足に30%の割合で体重をかける。

右腕をまっすぐ天井へ伸ばす。ケトルベルを見ながら、右脚を伸ばして左脚は軽く曲げつつ、右足の踵よりも後ろに右側のお尻を突き出して、右腕の延長線上で左手を床にタッチ。

元に戻る。左右を変えて同様に行う。

レベル3|体幹を中心に3Dで背骨を自在にコントロール

ボス・コイリング&レッグエクステンション(5秒キープ×左右交互に各8回×3セット)

使用するギア:ボス

半球状のバランスボール。球体のバランスボールと比べると安定性が高いため、一般的には初心者向きとされているが、球体では難しいポーズも比較的取りやすく、体幹に効かせやすい。

2023年最新 体幹トレ 元MLB HSC ボス

ボスにお腹を乗せてうつ伏せに。両脚を肩幅で伸ばして爪先を立て、両腕を伸ばして手で三角形を作る。

両肘を曲げ、両手を時計の12時の位置に置き、体幹を左へ曲げ、両手を10時の位置に置く(背骨の側屈)。

右脚を引き上げながら、胸を反らし上体を上げ、5秒キープ(背骨の回旋、伸展、側屈)。戻り、左右交互に。

ウォール・ハーフニーリング・エルボーサークル(左右各8回×3セット)

2023年最新 体幹トレ 元MLB HSC バランスクッション

壁際にバランスクッションを置き、右向きで左膝をクッションについてしゃがむ。右足を前に出し、左右の膝を90度曲げる。

体幹を立て、両手を頭の後ろに添える。右肘を後ろから前へ、下から上へすくい上げる意識で、壁にできるだけ大きな楕円を描くように回す。

肘で壁に触れず、肩中心の小さな動きでなく、脇腹中心の大きな動きで。左右を変えて同様に行う。

ランドマイン・スクリュードライバー&レッグスイッチ(左右交互に5往復+5往復×3セット)

2023年最新 体幹トレ 元MLB HSC ランドマイン スリーブ

シャフトの端を両手で持ち、45度ほどの角度にして軽く前傾。右足を踏み出して両膝を曲げ、シャフトを右へ回して右肩へ近づけ、右肘を右脇腹につける。両足ともクレジットカード1枚分の厚さだけ踵を上げるつもりで。

シャフトを左へ回して左肩へ近づけ、左肘を左脇腹につけながら、その場で軽くジャンプして足の前後をスイッチ。

1回ずつ確実に止め、できるだけ素早く左右交互に続ける。手の前後を入れ替えて同様に。

取材・文/井上健二 撮影/石原敦志 トレーニング監修/友岡和彦 撮影協力/CREED PERFORMANCE

初出『Tarzan』No.857・2023年5月25日発売

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