朝からカラダの機能性をチェック! 肩甲骨・股関節の連動
上半身の動きの要である肩甲骨と、下半身の土台である股関節。それぞれを整えることももちろん大事だが、最終的にはこの二つを機能的に連動させて、全身快適に動くカラダを目指したい。ここでは3つのエクササイズで、肩甲骨と股関節の連動性を確認。あなたはできるかな?
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/天野誠吾 監修/友岡和彦(クリードパフォーマンス・パフォーマンスディレクター)
初出『Tarzan』No.833・2022年5月12日発売
友岡和彦さん
教えてくれた人
ともおか・かずひこ/〈クリードパフォーマンス〉パフォーマンスディレクター。MLBで日本人初のヘッドストレングスコーチとして活躍。帰国後もトップ選手を指導。ATC、CSCS。
肩甲骨と股関節の連動を確かめる3つのテスト
筋トレでは、好きなところだけをピンポイントで鍛えるが、カラダは本来全身を連携させて使うのが正解。肩甲骨と股関節をリンクさせて機能的に連動できるようになると、日常生活もスポーツも快適にこなせる。
個別に整えた肩甲骨(詳しくはこちらの記事:「肩甲骨の緊張を解きほぐす」3ステップ)と股関節(詳しくはこちらの記事:固まった股関節をほどく・ころがす・ささえる1週間)を有機的にコーディネートできるかを検証してみよう。
下記で紹介する3つのエクササイズは、1回でも正しくできたら合格だ。
チェック① バード&ドッグ
両手、両膝を床について四つん這いになる。手は肩、膝は股関節の下につく。頭を背骨の延長線上に置き、顎を引いて顔を下に向け、肩と肩甲骨を下げて首を長くする。
体幹を床と平行に保ったまま、右腕と左脚を床と平行にまっすぐ伸ばす。手の親指を天井に向ける。
背中を丸めながら、みぞおちの真下で右肘と左膝をタッチ。左右を変えて同様に行う。
これができるかチェック!
肩甲骨
- 体幹をブレさせず、片腕を床と平行に伸ばす。
- 肘をみぞおちまで引き寄せる。
股関節
- 体幹をブレさせず、片腕を床と平行に伸ばす。
- 膝をみぞおちまで引き寄せる。
これはNG!
股関節が硬いと肘が迎えに行き、肩甲骨が硬いと膝が迎えに行ってしまうので注意。みぞおちの下でタッチ。
チェック② オーバーヘッド・スクワット
両手で肩幅よりも広めにタオルの両端を持ち、両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ。両腕を天井へまっすぐ伸ばし、両膝を軽く緩める。
肩甲骨を寄せて胸を開き、両腕を耳より後ろに引く。お尻を後ろに引き、股関節から上体を前に倒しながら、太腿が床と平行になるまで深くしゃがみ、両足で床を押して元に戻る。
爪先を膝より前に出さない。足首に可動域制限がある場合は、5〜10cmほどの厚みのあるタオルなどを踵の下に置いて行う。
これができるかチェック!
肩甲骨
- 両腕を耳の後ろまで引く。
- 胸を開いたまま、上体を前に倒す。
股関節
- 太腿が床と平行になるまでしゃがむ。
- 深くしゃがんだとき、膝が爪先より前に出ない。
これはNG!
肩甲骨が十分に動かず、胸が閉じたままで腕が耳より後ろに引けない。股関節が硬くて、太腿が床と平行になるまで深くしゃがめない。
チェック③ ランジ&リーチ
両足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、爪先を正面に向ける。前腕を肩幅より広めに開き、床と垂直にし、手のひらを正面に向ける。
爪先を正面に向けたまま、左足を大股1歩分真横に踏み出す。膝を曲げて軽くしゃがみながら、両腕を右側へ長く伸ばし、胸を開いて正面に向け、左側の体側をCの字にカーブさせて伸ばす。左右を変えて同様に行う。
これができるかチェック!
肩甲骨
- 胸を開いて胸郭を回旋させる。
- 胸を開いたまま、両腕をしっかり伸ばす。
股関節
- 爪先を正面に向けたまま、真横に大股1歩分踏み出す。
- 膝を爪先の方向へ向け、軽くしゃがむ。
これはNG!
胸を開いて胸郭を回旋させない。肩甲骨と胸郭が硬いと、上体が前に倒れて回旋が入ってしまう。股関節が硬いと十分にしゃがめない。
1つでも不合格の項目があったら、オールクリアできるまで、肩甲骨と股関節を個別に整える3ステップエクササイズに戻って鍛え直そう。