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郷土菓子「がんづき」で糖質補給。実は好相性なスポーツと伝統食(TEAM Tarzan)
『ターザン』が運営する有料オンラインコミュニティ「TEAM Tarzan(チームターザン)」。そのメンバー・つっきーさんが宮城県の郷土菓子「がんづき」に注目。「捕食」としての側面を紹介します。
つっきー
この記事を書いたメンバー
TEAM Tarzan5期生。公認スポーツ栄養士。好きなアクティビティはノルディックウォーキング。山梨県北杜市にて合宿所の運営も。
郷土菓子”がんづき”でリカバリー
こんにちは、TEAM Tarzanのつっきーです。
10月に自分が指導している15人の選手を連れて宮城県へバレーボール大会「東北アイリーグ」に参戦してきました。
新幹線で戻る際、帰り際にお土産でいただいた「がんづき(雁月)」というのを車内で選手に配りました。みんなペロリと食べて、余すことなく選手の胃袋へ。
「がんづき」とは宮城県や岩手県の昔からの郷土菓子です。重曹や、黒砂糖を入れて蒸しパン状態になったものと、「ういろう」に似たものとがあります。
今回のは、ういろうタイプ。小麦粉、もち粉、砂糖が原材料。上にくるみや、大納言あずき、うぐいす豆などが乗っています。

がんづき。今回のは宮城県加美郡加美町宮崎の「もんま菓子店」のもの。
原材料の小麦ももち粉も砂糖も、またあずきやうぐいす豆も糖質です(加美町はもち米も作っています)。
ちまたでは糖質が諸悪の根源であるかのような扱いですが、アスリートのエネルギー源としての糖質はなくてはならないものです。また疲労回復という点で糖質は消化吸収が速やかに行われます。
郷土料理や郷土菓子はスポーツ栄養的にみるとかなり理にかなっているところがあります(食べる量やタイミング、頻度を間違わなければ、というのは個別にはあります)。

これはずんだもち。これも、もち(糖質)×ずんだ餡(タンパク質・糖質)なのでおすすめです。
昔はもっと人々の労働はカラダを使っていたでしょう。
そういう点で、アスリートやトレーニーの栄養補給と畑仕事などの合間の休憩でいただく茶菓子とは、かなり似通った目的と役割があったのだろうと思います。
伝統食品とスポーツは好相性
スポーツ向けの食品は新たな商品が少しずつ登場しています。「スポーツようかん」や「スポーツカステラ(文明堂)」、「タンパク質豊富なちくわ・かまぼこ」などもその例です。


今回の「がんづき」のような地方の郷土菓子をその「形状や大きさ」を工夫し「個包装」にすることで、大半の和菓子は「スポーツ〇〇」というものになりそうですね。
基本的に「おいしい」ことは大前提です。個包装にするなど形状が決まってきてしまい形状から“おいしそう”、と思わせるのはかなり難しくなりますから、味そのものがいい、ということはとても重要。
疲れたカラダにはぴったりの「がんづき」はシンプルな材料だけのやさしい味でした。糖質が必要な場面(スポーツ前後)や人(アスリートやトレーニングする人)を選んで売る、という視点は売る側も買う側もwin‐winじゃないかなと思います。
日本ならではの“古くて新しいスポーツ補食”がこれからも増えていくと面白いですね