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太ったら食事で即リカバリー|プロ2人に学ぶ「痩せるカロリー管理術」
どれだけ摂取して消費すればいい? 人によって適正なバランスが異なるカロリーについて、管理栄養士の河村玲子さんとトレーナーの澤木一貴さんにじっくり伺いました。今回は「太ってしまった場合の食事リカバリー法」について。
自分で設定した“体重のレンジ”を意識する。
河村玲子さん(以下、河) 自粛中、太ってしまった人も多いと思いますが、やはり対処は早ければ早いほどいいと思います。
澤木一貴さん(以下、澤) そうですね。太った状態が定着してしまう前に、食事ですぐに調整する。
河 私は1週間で太ったら1週間でリカバリーするようにしています。1日3食は食べますけれど、摂取エネルギーをぐっと減らして間食も低脂質のものにするとか。
澤 僕は前の日に食べ過ぎたら、翌日の朝と昼で清算します。1食を少なくするというより、食事自体を抜く。
河 よく、「明日からダイエットするから今日は食べてもいい」と言う人がいますが、私の場合「明日食べてもいい」、そのために「今日減らす」という考え方なんです。45.5〜46.5kgのレンジにいたいので、45.5kg前後で推移していれば明日好きなものが食べられます。でも46.3kg前後なら明日も明後日も食べたらダメ。常に低いレンジを保って余裕を持っていたいんです。
澤 さすがですね。僕の普段のレンジは68〜72kgくらいです。10kgくらいはコントロールできるし、やる気になればすぐに60kgくらいまでは落とせます。逆に72kgのラインはなかなか越えないんです。
河 私は体重の底辺のところで保っていて、澤木さんは上辺の方で保っている感じですね。
澤 考え方とか体質でリセットの方法は違っていてもいいですよね。ちなみに僕、筋肉落ちてもいいなら10日くらいで15kg落とせます。
河 それは、すごいですね!
澤 ファスティングでそれをやったことがあって。ただのガリガリのおじさんになりました(笑)。筋肉を落とさずきれいに痩せるなら、3ヶ月くらいは欲しいですけどね。
ある日の食事と運動【澤木さんの場合】
2日分のメニューは外食時のものですが、自粛中に自宅で食べていたのも、これに限りなく近いメニューです。
基本的に朝は食べずにプロテインだけで済ませて、昼と夜はがっつり。とくに夜はビールを飲みながらボリューム満点の肉を食べるというのが定番です。その他、マルチビタミン、ビタミンC、亜鉛のサプリメントを必要に応じて補給しています。
焼き肉は3人前、野菜スティックとナムル、キムチ。冷麺やごはんといった炭水化物は食べません。なにしろビールを飲むので。
自粛中、1〜2kg太りましたが、僕の場合はもともとガリガリ体型で、太りたいという願望がどこかにあるんです。だから体重が増えると嬉しいなと思ってしまう。たとえ脂肪が増えても筋トレをすれば筋肉に変えられるし、代謝が高くて太りにくい体質。食事に関してはあまり気にせず、好きなものを好きなだけ食べていました。
自宅での筋トレのトレーニングプログラムは、EZバースクワット、アームカール、アップライトロウの3種目。週3回行って筋肉の維持を図りました。自粛生活が解けた今は体重も元の状態に戻っています。
ある日の食事と運動【河村さんの場合】
今回の自粛中もそうですが、体重が増えるときは実際に数値が増える前に分かります。階段を下りているときにお尻やお腹の肉が揺れる、細めのパンツがきつくなるといった体感で分かるんです。その3日後くらいに1kg体重が増えたので、1日の食事を上のようなバランスで摂り、1週間でリカバリーしました。
糖質を控えめにして朝は軽め、昼と夜はしっかり食べるイメージ。間食はお腹が空いたタイミングでギリシャヨーグルトやシリアル、果物などを口にしていました。お腹が空いたときに低脂質のタンパク質を摂ると、腹持ちがよく食欲コントロールがしやすいことを今回改めて実感しました。
トータルの摂取カロリーは普段は1,800キロカロリーですが、1,200〜1,300に留めるように調整しています。
運動はルーマニアンデッドリフト、ブルガリアンスクワット、シングルレッグ・ヒップリフト、ラテラルランジ、プランク。これらの筋トレに加えて有酸素運動を1時間半、毎日行いました。
体重は食事と有酸素運動でコントロールして、気になるお尻や脚といった部位は筋トレで整えるという3本立てのプログラムです。
教えてくれた人

取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 イラストレーション/德永明子
初出『Tarzan』No.795・2020年9月10日発売