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「僕にとって筋トレは、筋肉だけでなく心を鍛えるもの」|筋肉図鑑 vol.29(男子チアリーディング・安藤亮太)
トレーニングの軌跡を偽りなく物語るもの、それが筋肉だ。『筋肉図鑑』では、さまざまなトレーニーの筋肉の裏側に迫ります。第29回は早稲田大学の男子チアリーディングチーム〈SHOCKERS〉で代表を務める安藤亮太さん!
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【今回の筋肉】安藤亮太

腹筋とチアは一見縁がないものと思われるかもしれませんが、土台となるポジション“ベース”を担う僕には大切な筋肉です。自分の上にメンバーを乗せる時、腹筋が弱いと腰痛のリスクが高まる。カラダの前後の筋肉バランスが整ってることが、チアがうまい人の絶対条件です。

ポジションを問わず、チア男子でゴリマッチョな人はほぼいません。チアのカラダの使い方は体操選手のそれに近く、バネのようにしなやかな筋肉で全身の連動性に長けた人が活躍します。
チアに最も有効なトレーニングは倒立。バランスを養うのにうってつけで、入部してしばらくはもっぱら倒立をする日々でした。

チアのパフォーマンスは決して筋肉量に比例しませんが、演技中にピンチを迎えた時には筋肉が生きてきます。「本番の演技中にメンバーを絶対落とさない」という意識が僕たちには強くありますが、本番では緊張して練習通りにいかないことも。
しかし上に乗る人がいい位置に足を置けなくても、ベースの人が広背筋などをうまく使えたら、ピンチをしのげる局面は多々あります。

実は今まではチアの練習が中心で、外出自粛がきっかけで筋トレを始めたんです。予定していたイベントや練習が中止になり、コロナ禍以前の過去に執着し、未来への不安に悩みました。
そんな時に筋トレ好きなメンバーに触発されて鍛えてみると、“こんな状況でもできること”に気づけました。過去や未来じゃなくて“今”にフォーカスできたんです。僕にとって筋トレは、筋肉だけでなく心を鍛えるものでした。
僕ら〈SHOCKERS〉15代目のスローガンは“今を燃焼。”です。今はメンバーと練習もできず、バラバラだと感じることも。でもまた必ず一致団結して、皆と青春を感じながら最後まで走り抜けたいです!
取材・文/門上奈央 撮影/角戸菜摘
(初出『Tarzan』No.792・2020年7月22日発売)