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正しい姿勢の土台「踵骨外反・扁平足」をリセットするストレッチ&エクササイズ
気付いたときにする「ちょこっとリセット」、本格的に正す「しっかりリセット」の二段構えのプログラムを習慣化して、本気の姿勢改革を!
姿勢改革は、ストレッチと筋トレで。
骨格が歪んで姿勢が乱れる背景には、硬く縮こまった筋肉と、緩んで弱くなった筋肉がある。
そこで、硬い筋肉を見つけてストレッチで伸ばし、柔軟性をアップ。弱い筋肉は、エクササイズで鍛えて強化する。ストレッチとエクササイズをセットで行うからこそ、より効果的だ。
今回紹介するストレッチとエクササイズは、デスクワーク中でもできる「ちょこっと」と、本格的な「しっかりと」の二段構えになっている。
【連載・6大「姿勢の改善」プログラム】
- スマホ首(首こりの原因「スマホ首」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- 巻き肩(肩こりの原因「巻き肩」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- 猫背(座りすぎで丸まった「猫背」をリセット! ストレッチ&筋トレ)
- 反り腰(腰痛の原因「反り腰」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- X脚(女性だけの悩みではない「X脚」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- 踵骨外反・扁平足(本記事)
正しい姿勢の土台は「足の3点荷重」。
健康な足は踵の骨(踵骨)がほぼまっすぐ。踵中央、親指の付け根、小指の付け根の3点に荷重し、踵中央と親指の付け根を結ぶ内側縦アーチ(土踏まず)、踵中央と小指の付け根を結ぶ外側縦アーチ、親指と小指の付け根を結ぶ横アーチの3大アーチで体重を支える。

最近増えたのが、踵骨が内側に傾き、土踏まずが潰れて落ちる踵骨外反・扁平足。足に筋肉の始まり(起始)と終わり(停止)がある足底内在筋のなかでも拇趾内転筋が硬く、その他の足底内在筋が弱いと生じやすい。
足裏の3点で正しく立てなかったり、合わない靴や運動不足で足底内在筋の機能が下がったりすると頻発する。足は姿勢の土台。踵骨外反・扁平足だとX脚になりやすいから要注意。
立ち上がり、壁を有効活用して「ちょこっと」リセット。
① ふくらはぎのストレッチ(左右各15秒キープ)
- 肩の高さで両手を壁に肩幅でつき、半歩離れて立つ。右足を半歩後ろに引き、上体を前傾させて右足の踵から頭までまっすぐ保つ。
- 右足の踵を床につけたままで、左膝を曲げて両手で壁を押して、右脚のふくらはぎをストレッチする。左右を変えて同様に行う。
② シングルレッグ・3点荷重(左右各15秒キープ)

壁に右手をつき、左膝を曲げて太腿が床と平行になるまで上げて片脚立ちになる。背すじを伸ばして胸を張る。踵の中央、親指の付け根、小指の付け根の3点を意識して右足全体に荷重する。左右を変えて同様に行う。

眠った足裏の筋肉を目覚めさせる「しっかり」リセット。
① 足底筋群リリース(左右各30秒)

裸足になり、椅子に浅く坐り、右足首を左膝に乗せる。凝って痛いところを探しながら、両手の親指で右足裏を満遍なく押してマッサージをする。左右を変えて同様に行う。
② タオルギャザー(左右各1枚分×2セット)
- 床にフェイスタオルを縦に敷き、椅子に坐って左足で踏む。両手は太腿に。
- 左足の踵をタオルにつけたまま、足指の動きだけでタオルを引き寄せる。左右を変えて同様に行う。
③ トウアップ(30秒キープ×2セット)
- 両足を腰幅に開いて立ち、爪先を正面に向ける。背すじを伸ばして胸を張り、両腕を体側で下げる。
- 爪先を見ながら引き上げ、踵の中央、親指の付け根、小指の付け根の3点を意識して両足全体に荷重。呼吸しながら30秒キープ。
④ トウアップ&スクワット(10回×3セット)
- 両足を腰幅に開いて立ち、爪先を正面に向ける。背すじを伸ばして胸を張り、両手を腰に添える。
- 爪先を引き上げ、足裏の3点に荷重するトウアップを行ったまま、後ろの椅子に坐るようにお尻を引いて膝が90度曲がるまでしゃがみ、踵で床を押して戻る。爪先は1回終わるごとに下ろす。足関節、膝関節、股関節の連動性も高まる。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 取材協力/重成悠馬(FLUX CONDITIONINGS)
初出『Tarzan』No.787・2020年5月14日発売