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慢性的な腰痛の原因「反り腰」を骨盤からリセットするストレッチ&エクササイズ
気付いたときにする「ちょこっとリセット」、本格的に正す「しっかりリセット」の二段構えのプログラムを習慣化して、本気の姿勢改革を!
姿勢改革は、ストレッチと筋トレで。
骨格が歪んで姿勢が乱れる背景には、硬く縮こまった筋肉と、緩んで弱くなった筋肉がある。
そこで、硬い筋肉を見つけてストレッチで伸ばし、柔軟性をアップ。弱い筋肉は、エクササイズで鍛えて強化する。ストレッチとエクササイズをセットで行うからこそ、より効果的だ。
今回紹介するストレッチとエクササイズは、デスクワーク中でもできる「ちょこっと」と、本格的な「しっかりと」の二段構えになっている。
【連載・6大「姿勢の改善」プログラム】
- スマホ首(首こりの原因「スマホ首」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- 巻き肩(肩こりの原因「巻き肩」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- 猫背(座りすぎで丸まった「猫背」をリセット! ストレッチ&筋トレ)
- 反り腰(本記事)
- X脚(女性だけの悩みではない「X脚」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- 踵骨外反・扁平足(姿勢の土台「踵骨外反・扁平足」をリセットするストレッチ&筋トレ)
ヒールの高い靴や運動不足が骨盤の前傾を招く。
骨盤は真横から見ると、軽く前傾しているのがニュートラル。その前傾が強くなりすぎて、骨盤と太腿の骨(大腿骨)が作る股関節が屈曲するのが、反り腰。腰椎の前彎カーブがきつくなり、慢性的な腰痛に悩まされる。
反り腰を招く主因は、ヒールの高い靴ばかり履いたり、スマホ首や猫背で重心が前に移ったりして、爪先荷重が癖になること。
爪先荷重だと太腿前側の大腿四頭筋と、股関節を屈曲させるインナーマッスルである腸腰筋が硬くなりやすい。
さらに運動不足の日常を送っていると、骨盤を適度に後傾させる大臀筋やハムストリングスなどが無力になりがち。かくて骨盤の過度の前傾と股関節の屈曲が同時に発生するのである。

骨盤のポジションを「ちょこっと」リセット。
①大腿四頭筋のストレッチ(左右各15秒キープ )
壁に左手をついて、右膝を曲げて右手で右足の甲を摑み、右足の踵を右のお尻に近づける。腰を反らさずに上体を床と垂直に保ち、右手を後ろに引いて右膝を後ろに引き、太腿前側をストレッチ。左右を変えて同様に行う。
②ヒップ・スクイーズ(15秒キープ)

両足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、背すじを伸ばして胸を張る。両腕を体側で下げる。お尻の穴をギュッと締めるようにお尻の筋肉を収縮させて、骨盤を後傾させてキープする。
骨盤周りの筋肉の緊張を「しっかりと」リセット。
①ワールド・グレイテイスト・ストレッチ(左右各5回)
両足を揃えてまっすぐ立ち、左膝を引き上げて片脚立ちになり、両手で脛を摑む。左足を大股1歩分前に踏み出して、右腕を伸ばして右手を床につき、左肘を曲げて床に向ける。
②ゴブレット・スクワット(10回×3セット)
ダンベル(または2Lサイズのペットボトル)を両手で縦に持ち、腰幅で立つ。両肘を曲げてダンベルを胸の正面で構えて、背すじを伸ばして胸を張る。その姿勢のまま、後ろの椅子にしゃがむようにお尻を引き、膝が90度曲がるまでしゃがんだら、踵で床を押して戻る。前にウェイトを持つことで腹直筋に刺激が入る。
③リバース・クランチ(15回×3セット)
床で仰向けになり、両腕を体側で伸ばし、手のひらを床につける。両膝を揃えて曲げ、太腿が床と垂直になるまで引き上げる。膝の角度を保ったまま、爪先が床につくまで下ろし、ついたらすぐに元のポジションに戻す。
④ヒップリフト(15回×3セット)
床で仰向けになり、両膝を腰幅に開いて90度曲げて立てる。両腕は体側で伸ばし、手のひらを床につける。膝、太腿、お腹、胸、肩が一直線になるまでお尻を引き上げて2カウント保ち、元に戻る。両手で床を押さない。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 取材協力/重成悠馬(FLUX CONDITIONINGS)
初出『Tarzan』No.787・2020年5月14日発売