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バスケットがもっとうまくなりたいなら、この筋トレ【競技別・筋力アップ術②】
筋トレ=筋肥大ではありません。競技ごとに必要な身体能力をアップさせるための筋トレもあるんです。
共通エクササイズ(10回×3セット)
まずは、基本の体幹と下半身を鍛える3つの共通エクササイズ。これにジャンル別のおすすめ筋トレを加え、スポーツパフォーマンスを高めてほしい。
① ワンレッグ・スクワット
- 椅子の背を片手で摑んでカラダを安定させ、片脚立ちになる。反対側の手は前方にまっすぐ伸ばす。
- 軸脚の膝と股関節を曲げて腰を落とす。軸脚の角度は最低でも90度になるように。
② バックステップ・ランジ
- 両足を肩幅に開いて立ち、両手を頭の後ろで組む。
- 片足を大きく1歩後ろに引いて拇趾球で着地すると同時に両膝を直角に曲げて腰を落とす。
- 後ろ脚の大腿四頭筋を伸ばしつつ負荷をかける。
③ ツイスティング・マウンテンクライマー
- 最後はプランク系の体幹トレ。プッシュアップの姿勢をとる。
- 肩、背中、股関節、くるぶしまでを一直線に保ったまま、腰を捻りつつ片脚の膝を曲げて胸に引きつける。
- 左右交互に繰り返し。
ジャンプ系のトレーニング(10回×3セット)
瞬間的に爆発的なパワーを発揮する能力が要求されるのがジャンプ系のスポーツ。バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、陸上のフィールド競技などなどだ。
こうしたジャンプ系スポーツに有効なのがプライオメトリクス。これは反動を利用したトレーニングで、筋肥大が目的の非効率的な筋トレとは真逆のカラダの動きとなる。
高く跳躍しようとする直前、人は無意識に膝を曲げて腰を落とす。筋肉が伸ばされたときに損傷しないよう、脳は直ちに縮め!という指令を筋肉に送る。これを伸張反射と呼ぶ。無意識にしゃがむのは、この伸張反射を利用するためだ。
実際、予備動作なしでジャンプするより、一度しゃがんだ方が高く跳べる。このように、「しゃがむ」→「跳ぶ」に代表される一連の動作能力を養うトレーニングがプライオメトリクスというわけ。
さらに、ジャンプ動作ではアキレス腱のバネの力を利用する。なので、腱を強化しておくこともとても重要。ケガの予防にもなる。また、ジャンプ時の腕の振りなども鍛えておけば、もう完璧。より高く、精度の高いジャンプができるようになるはず。
① アンクルホップ
- 両足を肩幅に開いて立ち、踵を床から引き上げたままアキレス腱の力を使って連続的にジャンプ。
- 膝はできるだけ曲げずに脚をまっすぐキープ。着地のときは沈み込まずに着地時間をできるだけ短くすること。
② タックジャンプ
- ジャンプすると同時に両膝を曲げ、抱え込むようにしながら左右の手でくるぶしにタッチ。
- 一回一回動きを止めず、伸張反射を利用し、連続して行うことがポイント。できるようになったら手で爪先にタッチするなど、難度を上げていくべし。
③ スイング
- ジャンプするときは腕の振りの反動も利用する。より大きなスイングをするための練習。両足を大きく開いて立ち、両手でダンベルを持つ。
- 膝を曲げ、腰を落として両脚の間にダンベルを潜らせ反動で立ち上がりながらダンベルを前へ。
取材・文/石飛カノ 撮影/山城健朗 スタイリスト/山内省吾 ヘア&メイク/天野誠吾 イラストレーション/うえむらのぶこ 取材協力/白戸拓也(フージャース ウェルネス&スポーツ)
初出『Tarzan』No.785・2020年4月9日発売