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こんなパンを待っていた! 豆でつくられたグルテンフリーの《ZENB ブレッド》
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良質な睡眠を妨げるもの。ブルーライトにカフェインにアルコール、そして眠る前の筋トレ(!)。最後の条件はトレーニーにとって一大事。その真偽は如何に?
睡眠前の筋トレが良質な眠りを妨げるらしい。その理由は運動の刺激によって交感神経が優位になり、睡眠モードの副交感神経にうまくスイッチできなくなるから。とくに強度の高い筋トレは、交感神経を興奮させてバリバリの覚醒モードにカラダを導いてしまう。
そもそも、毎晩決まった時間に眠りが訪れるのは体内時計が刻むリズムによるもの。朝目が覚めたときに、血圧やホルモン分泌、自律神経のバランスをどのタイミングでどうスイッチさせるかという今日1日のスケジュールが、体内時計によって決定される。
睡眠も同様。起きてから約16時間後には覚醒レベルを落とすことが、すでに決まっているのだ。その自律神経バランスを寝る前の筋トレで崩してしまっては元も子もない。
「マジすか!」と驚いたのは、ターザン編集部1、2を争う筋トレマニアのワタベ。普段は朝の筋トレがルーティンのこの男が、自らを実験台に事実を検証することに。
とはいえ、眠りの質をどうやって計測するか? それが問題だ。悩むワタベの耳に入ってきたのが、「快眠環境サポートサービス」というシステムが開発されたというニュース。パナソニックと寝具メーカーの西川の共同開発で、睡眠の質や量をデータ解析し、データをもとに照明やエアコンが稼動するというものだ。そこまで来たか、IoT!
仕組みは次の通り。精密なセンサーを搭載した西川のマットレス[エアーコネクテッド]SI マットレスで眠る。すると、睡眠の深さ、寝つきまでの時間、睡眠時間、中途覚醒といった6項目がモニタリングされる。
このデータを元にパナソニックの無線LAN内臓のエアコンが睡眠状態に応じた温度を自動制御、LINK STYLE LED シリーズの「LED シーリングライト」の照明がスムーズに起床を促すタイミングで照度を上げていく。という至れり尽くせりのシステムなのだ(※1)。
モニターしたデータを見える化するのが〈Your Sleep〉(※2)という専用アプリ。6項目から睡眠スコアを算出して日々の眠りを採点してくれるという。「これは試してみるしかない!」
※1 家電連携には対応機種が必要です。
※2 専用アプリ『Your Sleep』『nishikawa LINK』(Android™スマートフォンはGooglePlay™、iPhoneはApp Storeからダウンロード可能)、Android™ OSバージョン8.0以降、iOSバージョン11.0以降のスマートフォンでご利用できます(2019年12月現在)。対応OSは変更する場合があります。タブレット端末には対応していません。※2 家電連携には対応機種が必要です。
「週に3回、朝筋トレに励んでプロテインを飲み、赤身肉&めかぶなどをワシワシ食べて、飲み物は自家製のお茶、お酒はいっさい飲みません」
そんな意識高い系のワタベ。普段は午後11頃には自然に眠気が襲ってきて、そのままぐっすりという絵に描いたような健康優良児。筋トレをしない日の眠りのスコアを〈Your Sleep〉で見てみると…。
就寝時間は11時2分でいつものルーティン通り。睡眠時間は7〜8時間で良好。難を言えば中途覚醒が1回あったというところ。とはいえ、総合した睡眠スコアは100点満点中、82点と好成績。健康優良児の面目躍如!
この日は夜の10時半に自宅トレ。プッシュアップを30回×3セット、シットアップを20回×3セット、アブローラーを20往復×3セット。そして妻を背負ってのスクワットを10回×3セット行った。もはや妻くらいの負荷がないと、スクワットが効かないそうだ。
いつもは午後11頃には自然に眠気がやってくるというワタベ。
「この日はなぜか、11時半まで眠れませんでした」
ひとまず[エアーコネクテッド]SI マットレスに就寝すると、11分で眠りについた。通常、床についてから眠りにつくまでの時間は10分程度なので良好だ。ちなみに、それより早いと睡眠不足、30分も寝られなければ入眠障害だ。
ところが、中途覚醒を見ると、なんと10回、かなり頻繁に起きている。そして問題は深い睡眠が一度も得られていないということ。睡眠スコアは51点だった。
今回の検証から、就寝前の筋トレは交感神経が刺激されて寝付きが悪くなるだけでなく、睡眠深度にも影響がでるのでは? という仮説が立てられる。
睡眠深度のステージは1〜4まで。1、2が浅い睡眠、3、4が深い睡眠と言われている。深い睡眠は眠りについてから早い段階で現れ、このとき成長ホルモンがドーンと出てカラダを修復していると想定される。
ところが今回、筋トレをしない日には得られていた深い眠りが、就寝前に筋トレをした日には得られなかった。つまり、せっかく筋トレをしたのにカラダの修復がうまくされなかった可能性がある。妻を背負ってまでスクワットしたというのに、非常にもったいない話。この結果を受けたワタベ曰く、
「寝る前の筋トレがよくないというのは本当だったんですね。僕はこれからも朝派で筋トレを続けます!」
筋トレはせめて、夕食前に終わらせておくのが無難のようだ。
取材・文/石飛カノ 撮影/編集部