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婦人科スポーツドクターである高尾美穂先生による適切な運動法と、ライフスタイルモデル・栗原ジャスティーンさんが実際に行っている妊娠中のトレーニング(以下マタニティトレ)をご紹介。
「アメリカでは街なかで妊娠中の女性がランニングやトレーニングを楽しんでいる光景が当たり前なのに、日本ではいまだに妊婦が運動をすることに対して、不安視される風潮があります」と言う栗原ジャスティーンさん。
「私は妊娠に気付くまでトレーニングが主軸の生活を送ってきたので、その生活リズムをできるだけ続けたいとネットや本で妊婦の運動に関する情報調べましたが、禁止されている動作があまりに多くて愕然としました。
そこでが相談したのが、婦人科スポーツドクターでありドームアドバイザリードクターも務める高尾美穂先生。高尾先生から正しい情報を得ると、妊娠中にできること幅が広がりました」
高尾先生によれば、妊娠中の運動には以下のような効果があるという。
「妊娠中のトレーニングでもっともおすすめなのは有酸素運動です。赤ちゃんに酸素を届けるために、基本的には息をこえらえる無酸素運動は避けるのが望ましいとされています。しかし、適切なウォーキング、スイミング、ヨガ、固定バイクといった有酸素運動であれば、このようにたくさんのメリットを得ることができます」(高尾先生)
妊娠していないときと妊娠中のトレーニングの一番の違いは、母体と赤ちゃん、別々の個体を管理をしなければいけない点。両者が安全な状態で運動できるよう、注意を払いながらおこなうことが大前提になる。高尾先生曰く、マタニティトレで気をつけるポイントは下記の3つ。
「妊娠中に38.5℃以上の熱が2日以上続くような場合は、流産や胎内死亡などのリスクが高まると考えられています。つまり熱は赤ちゃんに直接的に影響を及ぼす可能性が高く、当然ながらホットヨガやサウナといった母体が温まる行動はNGです」(高尾先生)
「私たちの安静時は、脳に15%、胃や腸に25%、腎臓に25%の血液が送られており、さらに運動中は動かしている筋肉にも血液が集まります。
妊娠中は本来、脳・胃腸・腎臓のほかにも子宮に流れる血液量を確保しなければなりませんが、運動をすることで筋肉に血液が分配され、子宮への血流量が落ちてしまうリスクがある。すると胎児に酸素が行き渡りにくくなるのです
では、赤ちゃんにきちんと酸素が送られているかをどう判断するか。分娩時は赤ちゃんの心音を記録して確認できますが、運動中は心音が測れません。
そこで代わりの指標になるのがお母さんの『心拍数』です。母体の心拍数が150を越えなければ、赤ちゃんの頭の中にある中大脳動脈の血流と、赤ちゃんとお母さんをつなぐ臍帯動脈の血液の流れが落ちないという結果が出ています。
以上のことから、マタニティトレを始める前にまずは
といった主観的なチェックをしたうえで、心拍数を計り自分のカラダを客観的に観察する必要があります。妊娠中は妊娠していないときに比べてベースの心拍数が15ほど高いので、運動前の測定でそれ以上高い場合はトレーニングを休むという判断をとった方が良いでしょう。
心拍数のチェックは運動中も忘れずに。運動を一時的に止めるとお母さんの心拍数や体温はあっという間に下がりますが、母体は保温ジャーのようになっているため、胎児の心拍と体温はしばらく下がりません。赤ちゃんの心拍が上がり過ぎないように、運動中は必ずクールダウンを挟むことが大切。
ガイドラインでは、運動強度を“辛いと感じない程度”に留め、運動継続はトータル60分が望ましいとされています。60分の間も15〜20分に1回はクールダウンを挟み、心拍数を150以下にキープしましょう」(高尾先生)
「妊娠中に子宮の閉じている部分(子宮頸管)の長さが著しく短縮している場合は、切迫早産のリスクが高まると考えられています。この子宮頸管長を短縮させる原因の一つが、腹圧です。
ただし子宮頸管長はもともとの長さに個人差があり、定期検診で医師からの指摘がなければ、少々腹圧が高まってもそこまで心配する必要はありません。
立位で生活していれば、当然ながらどんな動きでも腹圧はかかります。夕方になるとお腹が張りやすくなるのはこのため。ある意味仕方がないことではありますが、この時間帯にさらに運動負荷をかけることはオススメしません。
会社帰りの運動は避けたほうがいいですね。反対にマタニティトレをオススメする時間帯は、一番お腹の張りにくい朝の10時からお昼の2時までです」(高尾先生)
「妊娠中は時期によって体調の変化が大きくなります。かかりつけの産婦人科医に相談したうえで、その日の体調と相談しながらトレーニングを行いましょう」(高尾先生)
妊娠初期はつわりが辛く、トレーニングは控えてカラダを動かすのはリフレッシュ程度だったというジャスティーンさん。今年1月に安定期に入り、トレーニングを再開したそう。
一方妊娠中は無酸素運動が推奨されていないので、息まないレベルの軽いウエイトで動かす回数を増やし、サーキットトレーニングのように呼吸を意識しながら行っています。
今は筋肥大が目的ではなく、産後に向けての準備といったイメージでしょうか。カラダの使い方は意外とすぐに忘れてしまうので、産んだあとに以前と同じようなトレーニングができるように動きをカラダに覚えこませている感覚です
これから紹介するトレーニングはあくまで一例。私はこれまで筋トレをしてきたベースがあるのでこのようなメニューになっていますが、特に妊娠前に筋トレ未経験の人は必ず医師に相談のうえメニューを組んでください」(ジャスティーンさん)
取材・文/黒澤祐美 撮影/大嶋千尋 撮影協力/ドーム(マタニティトレの情報はこちらのアプリでも!)