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自宅で実践、便秘に喝! 快腸をつくる排便うながしエクササイズ
筋トレと同様、健やかな腸には日々の鍛錬が大切。道具なしでできるメソッドを習慣にして、快調を目指そう!
筋トレは習慣だが、腸トレまではやっていない。そんな『ターザン』読者は少なくないだろう。しかしストレスフルな現代、腸トラブルはいつ何どき起こっても不思議ではない。
「腸が適切に動くために、エクササイズで腸が動きやすいスペースを作り、同時に適度な刺激を加えるのが有効です」と語るのは、坂詰真二トレーナー。
まずは腸が動きやすいよう腹腔を広げる姿勢を普段から意識することが大切。そのうえで刺激を外側から加えて腸の運動を促し、自律神経を整えて腸がきちんと働くリズムを作ること。
道具なしでできてしっかり効くエクササイズで、快腸を手に入れよう。
メソッド1|腹腔内圧を下げる
便秘の原因として考えられるのが落下腸。横隔膜の位置が下がることで内臓の位置も下がり、腸の蠕動運動が押さえつけられた状態になる。横隔膜を本来の位置まで引き上げることで腸の位置を正し、自然な運動を促す。
カービング・ストレッチ|10回×3セット(インターバル5秒)
骨盤の後傾を修正して圧迫された腸をゆるめる。脚を揃えて膝をつき。両手で足首をつかんだら、横隔膜を引き上げるイメージで上体を大きく反らせる。腰を前方に突き出して、胸を高く引き上げ、腹筋をストレッチ。
アーチ・ストレッチ|10回×3セット(インターバル5秒)
爪先を内側に向けて、両手を後ろで組んで立つ。胸を高く引き上げながらお尻を後ろに突き出して上体を反らせる。足をハの字に開いて立つことで骨盤が前傾しやすくなる。自宅はもちろん、外で信号待ちする間などにも。
メソッド2|副交感神経を刺激、自律神経を整える
シーソーのように切り替わる交感神経と副交感神経。副交感神経が優位な時、内臓への血流が増えて腸の蠕動運動は活発になる。ゆったりした腹式呼吸を意識しながら、以下3つのメソッドを行い副交感神経をONに。
アブドミナル・ブリージング|4秒で吸って6秒で吐く×6セット
副交感神経を高める腹式呼吸。椅子に深く座って背もたれに寄りかかり下腹に両手を当てて、大きくお腹を膨らませつつ鼻から息を吸う。続けてお腹をできるだけ凹ませながら細く長く息を吐く。吸気と呼気は「苦しく」感じる前に切り替えること。
ウォーシップ|30秒キープ×2セット
S字結腸から直腸に便を運びやすくするポーズ。両手を重ねて足を腰幅ほどに広げた状態で四つん這いに。そこから額が地面につくくらいまで、背すじを伸ばしたままゆっくり肘を曲げ、腹式呼吸をしながら30秒間キープ。
ゴルジ・テンドゥン・リフレックス|5秒力んで15秒脱力×3セット
筋肉に強い力を込めるとゴルジ腱反射という働きで筋肉はゆるむ、これを利用した筋弛緩法というリラクセーション法。5秒かけて全身にフルに力を込めたら、15秒間だらりと脱力。立ったり寝転んだままでもできる。
メソッド3|体幹の筋肉を動かすことで腸を整える
腹直筋など腹筋群を鍛えると、腹腔の内圧、つまり腹圧を高めることができるので排便がスムーズになる。また腹筋群は消化器系を前面で支えているので多方向に動かすと腸の動きが活発になり、落下腸の予防にもつながる。
ペルヴィス・ローテーション|10回×3セット(インターバル5秒)
腰椎を軸にした腰回し。足を肩幅より少し広めに開き膝を少し曲げ、腰に手を当てて腰を回す。時計回りと反時計回りを交互に回して1回、これを10回繰り返す。膝を曲げることで骨盤に内蔵される腸の動きが大きくなる。
バルサルバ・クランチ|10回×3セット(インターバル5秒)
便を押し出す力の要となる腹筋群を鍛える。床に仰向けになり両膝を立て、指先で後頭部を支えて構える。1秒で息を強く吐きながら背中を丸め、2秒間息を止めてキープ。息を吸いながら3秒かけて元に戻る。
エアウォーク|10回×3セット(インターバル5秒)
上下の振動を腸に与えるにはランがいい。その論理を応用させたのが、高速で行うその場足踏み。爪先を前に向けて腰幅ほどに足を開いたら、左右交互に踵をしっかり上げ下げ。スピードが速ければ速いほどベター。
ニー・トゥ・ノーズ|10回×3セット(インターバル5秒)
腰椎と骨盤を大きく動かして腸を刺激。両手を尻より後ろについて膝を曲げ、背すじを伸ばす。肘を曲げ、背中を丸めながら両膝をできるだけ自分の鼻に近づける。足を元の位置にゆっくり戻す。これを10回繰り返す。
取材・文/門上奈央 撮影/小川朋央 スタイリスト/山内省吾 ヘア&メイク/村田真弓 監修/坂詰真二(スポーツ&サイエンス)
(初出『Tarzan』No.771・2019年8月29日発売)