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上半身を魅せる“上手な筋トレ”。鍛えるべき3つの筋肉|POFトレ集中講座(1)

筋肉は大きいのに存在感に乏しい人もいれば、ボリュームはそこまでなくても惚れ惚れする筋肉の持ち主もいる。その差はキレの有無。そこで、日本体育大学准教授・岡田隆先生に、上半身にキレを作り出すためのPOFトレーニングを指導してもらった。第1回はPOF法の説明とトレーニングすべき部位について。

POF法で“上手な筋トレ”を始めよう。

「キレを出すには体脂肪を落とすことも大事ですが、それ以上に筋トレを根本から見直してほしい。重さだけを追求する強い筋トレから、効かせるところに刺激を入れる上手な筋トレへのシフトが求められます」

そう語るのは、ボディビルダーでもある日本体育大学の岡田隆准教授。

上手な筋トレとして推奨するのは「POF法」。「Position of Flexion」の頭文字を取ったもので、筋肉の伸縮範囲で種目を変える手法だ。

「筋肉は限界までしっかり伸ばし、しっかり縮めるべき。15RMで15回と負荷を軽めにし、1レップずつあと1cm伸ばし、あと1度縮める努力が大切です。

その中間のミッドレンジはいちばん筋力が出せるので重めの5RMで5回×2セットで攻め、その後やや軽めの10RMで2セット。キレの前提のバルクを作ります」

今回は上半身の前面で目立つ大胸筋、三角筋、腹筋群をピックアップ。このうち大胸筋と三角筋でPOF法による筋トレを岡田先生に熱血指導してもらった。

POF法で意識すべき3つのレンジ。

POF法で重視したい3つの意識とレンジ
  1. 縮める/筋肉は収縮時に力を発揮するから、何と言っても縮める動作に集中するべき。最後のあと1cm、あと1度まで確実に筋肉を収縮させるように心掛けると効果に差がつく。
  2. 大きな力を出す/筋肉は最大収縮と最大伸張の中間位(ミッドレンジ)でもっとも大きな力が出せる。このポイントを重たいウェイトで攻めて、キレ味のベースとなるバルクを作る。
  3. 伸ばす/縮める動作ばかりに注意が向きがちだが、1レップずつギリギリまで伸ばすことも大事。最後まで力を抜かずに、ゆっくりエキセントリック動作を行うと筋肥大しやすい。

3つの筋肉群から始まる、上半身のデザイン。

上半身に鋭いキレをデザインする3つの筋肉群

1. 大胸筋/エッジが立ったスクエアなフォルムが理想。とくに意識したいのは大胸筋下部。お腹との境界にあたる下側、外側、一対の大胸筋の間の輪郭が明確になり、スクエアな胸板に近づく。

2. 三角筋/正面、横、後ろにすべて厚みを出し、なおかつ各パーツの境界をくっきりさせるのが目標。多種多様な筋肉が周辺に集まっているため、雑なフォームだと狙いは外れてしまう。

3. 腹筋群/通常の上体起こしでは腹直筋上部しか刺激できない。キレを出すなら腹直筋下部と外腹斜筋上部まで強化したい。体幹を反らせると腰椎へのストレスになる。縮める種目に絞って行う。

POFトレ集中講座は、次回公開記事以降、具体的なトレーニングを紹介していくので、ぜひお試しを!

教えてくれた人

岡田隆(おかだたかし)
岡田隆/1980年、愛知県生まれ。日本体育大学体育学部准教授。柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。日本体育大学・同大学院卒業後、東京大学大学院へ。2016年リオ五輪男子柔道の全7階級メダル獲得に貢献。「バズーカ岡田」の異名で筋トレなどを各メディアで解説。現役ボディビルダーで16年日本社会人ボディビル選手権大会優勝。『新しい筋トレと栄養の教科書』など著書多数。

取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 監修/岡田隆(日本体育大学スポーツコンディショニング研究室准教授)

(初出『Tarzan』No.767・2019年6月27日発売)

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