エキセントリックな刺激で体幹を鍛える、腹筋ローラー活用術!
手頃な価格で手に入る腹筋ローラーを使いこなして、エキセントリックな刺激で体幹を鍛えよう! 基本編〈Basic〉と応用編〈Advance〉の段階的な2つのレベルで、それぞれ3つのプログラムを紹介。
取材・文/緒方太郎 撮影/小川朋央 スタイリスト/村上由祐 ヘア&メイク/イケナガハルミ(Les Doigts) 監修/岩沢陽介(ファンクショナルトレーニングラボ・クエスト代表)
(初出・『Tarzan』No.685・2015年11月26日発売)
体幹を鍛えるアイテムとしておなじみなのが、腹筋ローラー。プラスチック製の車輪に、バーが付いただけと実に単純な構造だけに、価格も1,000円台から手に入るほど手軽だ。しかしながら、その効果は抜群。そう語るのは、ファンクショナルトレーナーの岩沢陽介さん。
「腹筋ローラーを使えば、一般的なフッキンとは異なるメカニズムで鍛えられます。短時間で効率的に、体幹全体を鍛えることができます」
一般的にフッキンとして行われるクランチやプッシュアップは、腹筋を縮めるコンセントリックな動きが中心。それに対し腹筋ローラーは、腹筋が伸びながら力を発揮するエキセントリックと、動きを安定させるアイソメトリクスの力を使用する。この伸ばし、維持する力を鍛えることで姿勢維持に関係するようなひと味違う効果が得られる。
今回は動きに慣れながら段階的に学べるように、トレーニングをプログラム。フォームの正確性を意識しながらしっかりとコントロールしよう。エキセントリックな刺激を入れながら、ひと味違う腹筋を作る!
Basic
1.スタンディング プルオーバー
壁に向かって立ち、腕を正面に伸ばして肩の高さでローラーを壁に押しつける。足は肩幅に開き、体重を壁側にかけて爪先立ちになる。体重を壁側にかけたまま、腕をゆっくりと上に上げていく。腕を頭の延長線上まで上げたら3秒キープしてから戻す。腕を上げた際に、肋骨が開いて、背中が反らないように注意。10回3セット。
2.スタンディング ヒップフレクション
壁の前に肩幅で立ったら腕を伸ばし、肩の高さでローラーを壁に押しつける。股関節からカラダを曲げていき、ローラーを下へ押し下げていく。腕が下がるにつれて、重心を両踵側にかけていき、爪先を上げる。下げ切ったら3秒キープし、元の位置へ。腕はカラダに対して90度の角度を保つ。10回3セット。
3.スタンディング ロールアウト
足を肩幅に開いて壁の前に立ち、ローラーを肩の高さで壁に押しつけたら股関節からカラダを曲げて、ローラーを押し下げる。重心は踵側にかけて爪先を上げる。下げ切ったら、元の姿勢に戻り、そのまま体重を壁側にかけてローラーを上に転がす。爪先立ちになり、腕が頭の延長線まで上がったら元の位置へ。10回3セット。
Advance
1.プルオーバー
四つん這いになり、腰の真下に膝、肩の真下にローラーを置く。爪先は立てて、床につけておく。腹筋を軽く締めた状態から腕のみ伸ばしていく。腕が頭の延長線まで来たら3秒キープ。左写真のように背中が丸まってしまうと正しい効果が得られない。また、戻す時はお尻を引かないよう注意。10回3セット。
2.ヒップエクステンション
四つん這いになり、腰の真下に膝、肩の真下にローラーを置く。肩の真下にローラーを維持したまま、股関節を伸ばしていく。股関節が伸びる動きに合わせて、膝下を引き上げ、臀筋の収縮を意識するとベター。写真のように腹筋の力を抜いて、背中が丸まったり、首をすくめないように注意。10回3セット。
3.ニーリングロールアウト
四つん這いになり、腰の真下に膝、肩の真下にローラーを置く。腹筋に力を入れたまま、腕を前に出し、同時に股関節を伸ばしていく。膝下は股関節が伸びるのにしたがって上げていき、腕が頭の延長線の高さまで来たら3秒キープして元の位置へ。足首を伸ばすと腹筋の力が抜けやすいので注意。10回3セット。