スクワット専用ギアは使えるか? 4アイテムをトレーナーがガチ審査
気軽にスクワットをしたい、バリエーションを試したい。ならば、スクワット専用ギアは見逃せない。そんな噂のギアを2人のプロがお試し。テッパンの評価を参考に、上手な活用術を学ぼう!
取材・文/門上奈央 撮影/小川朋央
初出『Tarzan』No.812・2021年6月10日発売
スクワットで下半身を強化するには、時に筋肉に与える刺激を変えてみるのが有効。そこで一役買うのがスクワットの専用ギアだ。
「自体重で行うにせよ重りを扱うにせよ、スクワットで成果を出すには重心位置が重要。我々トレーナーも自主トレの際に、重心のチェックはまめに行います。ギアの中には正しいフォームの習得をサポートするものも多く、侮れません」(〈BEYOND〉の山根駿トレーナー)
「トレーナー不在の環境ではギアがあると安全に行える。モチベーションも高まります」(〈デポルターレクラブ〉の伊藤沙月トレーナー)
今回、話題のギア4点を2人が試用。プロが感じる魅力や使ううえでの“裏ワザ”をもとに、自宅トレの質を底上げするギアを見極めよう。
\ 2人のトレーナーが試します /
試したギア
- Bee Balloon
- ル・プリエスクワット
- BODYBOSS 2.0 ポータブルフィットネス
- アイロテック シシースクワットWOT
① Bee Balloon
パッと見「…?」でも、初心者に激推し。
直径約20cmの突起がにょきっと生えている《Bee Balloon》。
「えっ、なんですかコレ?(笑)」
と興味津々の山根さん。突起を内腿で挟んで座ると、跳ねたり動いたりしてもボールからお尻がズレないのが最大の特徴。スクワットに使う時には、突起を挟んだ状態でお尻を下ろしてから、反発による補助を受けながら元の姿勢に。その時、完全に立ち切らないのもポイントだ。
「内腿の内転筋を使いながらスクワットできるのは現代人には最適ですね。特に座業の多い方ほど座り姿勢の乱れから骨盤が後傾し、ガニ股になっていて、スクワットで内転筋が使えていない人が多いんです」(山根駿トレーナー)
「私のお客さんにもよく見られます。スクワットの正しいフォームを習得するために、太腿まわりにバンドをよく巻いていただきます」(伊藤沙月トレーナー)
「突起一つでその課題が解消されるので、ポップな見た目からは意外にも(?)非常に合理的です。リモートワーク中に座るのもアリ」(山根駿トレーナー)
② ル・プリエスクワット
座るだけでOK。安全にながらスクワットを誘導。
スクワットするのもメンドーな人にぴったりなのが《ル・プリエスクワット》。スツールに座れば座面が上下に動く仕組みで、負荷がかかる上昇動作時には脚部分のガスシリンダーが動きをサポートしてくれる。老若男女問わず使えるギアだ。
「座っている間、自動的に“ながらスクワット”ができますね」(山根駿トレーナー)
「だからこそ、せめて姿勢だけは自分で意識したいもの。骨盤を立てて腰かけて、座っている間は常に腹圧をかけるという意識を持つことが大切です。
使い始めて慣れるまでは、ダイニングテーブルなどに手をついて行うのがおすすめです。また、シリンダーの真上に座ったうえで、前重心になると大腿四頭筋、後ろ重心になると臀筋群を使えます」(伊藤沙月トレーナー)
③ BODYBOSS 2.0 ポータブルフィットネス
何通りものスクワットができる「ポータブルジム」。
自体重のスクワットに慣れてきたら《BODYBOSS 2.0 ポータブルフィットネス》。わずか3.2kgの折り畳み可能なボードには複数のリングがあり、付属のバンドやバーなどを取り付ければ自宅でも負荷をかけながらスクワットができる。
「ハンドルや手足首ストラップも付いているんだ。スクワット以外の種目にも応用できそうです」(伊藤沙月トレーナー)
まずはバンド2本とバーを繫いでスクワットに取り組む伊藤さん。
「体感的には25kg相当の負荷です(笑)。バンドの抵抗がかかっておりバランス感覚が必要になるので、バーを用いるスクワットとはまた異なる刺激が入ります」(伊藤沙月トレーナー)
「総重量7.3kgか。公園などに携行して使うのも最高ですね!」(山根駿トレーナー)
④ アイロテック シシースクワットWOT
大腿四頭筋に加え、裏側の筋肉まで追い込める良品。
前腿の大腿四頭筋を集中的に鍛えるシシースクワット。自体重で行うのが定番ながら、姿勢の難しさや刺激の強烈さゆえにハイレベル。だが、得られる効果を思えば習得したい種目だ。そこで《アイロテック シシースクワットWOT》が役立つ。足首固定パッドで足の位置を固定し、膝裏パッドを膝関節の曲がる位置に調整したら、準備完了だ。
「腰をなるべく深く落として元の姿勢に戻れば、自然にシシースクワットができる設計。本来大腿四頭筋をターゲットとする種目ですが、膝下が固定され踵重心となり、膝の屈曲より股関節の屈曲角度が大きくなるため腿裏のハムストリングスやお尻の臀筋群を効果的に使えます」(山根駿トレーナー)
「大腿四頭筋以外にも効くとは。ヒップメイクにも使えますね」(伊藤沙月トレーナー)
「姿勢に気を回す必要がなく、ターゲットを追い込めます。シシースクワット専用のギアですが、この体感的な効果を思うとかなりコスパがいい。僕も欲しいっす(笑)」(山)