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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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コンディショニングの常識を、アップデートしよう! 3人制バスケットボール「3x3(スリーエックススリー)」の桂葵選手も実践する、トレーニングの前・中・後での《セラガン》の使い方とは?
最近よく目にするコンディショニングデバイス。価格もまちまちだが、何が違うのだろう? そんな素朴な疑問を、日本体育大学でトレーナーを育成する上倉將太准教授にぶつけてみた。
上倉將太さん
かみくら・しょうた/アスレチックトレーナー。理学療法士、日本体育大学准教授(保健医療学部整復医療学科)、同校男子バスケットボール部トレーナー、WJBL〈羽田ヴィッキーズ〉コンディショニングコーチ、SAVE代表。
「専門的には、パーカッシブセラピーと呼ばれるデバイス。簡単に言えば、筋肉に高い振動を与えてケアする道具です」
コンディショニングデバイスが世に出るきっかけは、2009年、ひとりのカイロプラクティク従事者が、自身のバイク事故からの復帰のために開発した《Theragun(セラガン)》の登場だという。
「その後、北米のさまざまな競技のナショナルチームやプロチームや施設がTheragunを続々と採用し、世界中に広まりました」
コンディショニングデバイスのパイオニアであるTheragunが多くのトレーナーたちの新たな常識となった理由は、何だろう?
「まず、筋肉に大きな振動を与えられる点。振幅は16mmで、深くまで大きく振動が入ります。しかも圧を均一にかけられます」
また、持ち手を変えることで、さまざまな部位にリーチできる、独自のトライアングルの形状も画期的だ。
さらに、Theragunが新たな常識として受け入れられた理由は、専用アプリ(iOS/Android)にもあるという。
「スマホで操作できるアプリケーションは、日本語に対応しています。モードを選ぶとデバイスが連動するので、自身に適切なタイミングに、必要なプログラムを受けられるのです」
そんなTheragunを支持するアスリートのひとりが、3人制バスケットボール3×3(スリーエックススリー)の桂葵選手。プレミアリーグのMVPに輝くなど、日本のみならず世界での活躍も期待されている。
桂葵選手
かつら・あおい/〈ビーフマン〉所属。プレミアリーグ2連覇(2020-21年)に貢献し、同リーグ2021年MVPに輝く。二足の草鞋だった三菱商事を退職し、現在ワールドツアー参戦に向け奮闘中!
「3×3は、今までの常識に囚われない新しい競技です。私自身も新しい道を切り拓くプレーヤーでありたいと挑戦を続けています。Theragunと一緒に戦えることを、とても心強く感じています」
筋温UPは、常識。でもその前に、筋肉に気づきを与える!
「ウォームアップの目的は、筋肉の温度を上げることで、伸張性を高め、これから始める動作に必要な可動域を確保することです」(上倉トレーナー)
アップでストレッチやジョグを行うのは、今や常識だ。
「最近は、コンディショニングデバイスを使うようになってきました。緊張が残っている部位、苦手な動きの原因となっている古傷に対して、ほぐすように使います」
デバイスをかける時間は30秒以内で十分だという。
「筋トレでも、デバイスをアップで使う選手が最近は増えました。鍛えたい筋肉に数秒かけることで、“今からやるぞ!”という刺激を与えられるからです」
桂選手も、アップにコンディショニングデバイスを活用している。
「アプリでプログラムを選んで、全身に5分ほどかけます。その後、動的なストレッチやジョグに移ってから、ボールに触ります。ボールに触らない自体重の筋トレの日も同様ですよ」
喩えれば、ボクシングのセコンド。 緊張をほぐし、瞬時に次に備える!
聞き慣れない“アクティベート”。一般的には、これも新常識と言ってよいだろう。
「よい例は、ボクシングのセコンドです。ラウンド間の1分で、選手の全身と気持ちの緊張をほぐし、次のラウンドに向け、適切な緊張に整えて選手を送り出します」
上倉トレーナーの説明は続く。
「アクティベートも、試合の合間やトレーニング中にパフォーマンスが落ちる時、ブーストをかける目的で行います。コンディショニングデバイスは、筋の緊張を一瞬緩め、次の瞬間に力が出せるように導ける便利な機器です」
桂選手は、試合の合間のアクティベートに悩んできたという。
「1回10分の試合では、すべてを出し切ります。立てないほど消耗しますが、1日4試合を行う大会もあるので、休み過ぎても、次の試合のスイッチが入りません」
コンディショニングデバイスは、いつも隣にいてくれるセコンドのような存在なのだ。
“仕事も、スポーツも”な人こそ、質の良いリカバリーが必要なのだ!
毎日密度の濃いトレーニングを行う桂選手は、自身のケガをきっかけに、リカバリーの大切さを痛感したという。
「トレーナーさんにお願いするケアって、そのための時間の確保が必要です。でも、自分でできるケアなら、隙間の時間も含めて自分の都合で調整できます。例えば、お風呂なら、リカバリーとして湯船に毎日浸かるようにしています。コンディショニングデバイスも、テレビを見ながらかけられるので重宝しています」
上倉トレーナーも、コンディショニングデバイスでのケアを、多くの人に勧めている。
「運動の後は、酷使した筋肉周辺の可動域が狭くなります。また、筋肉もエネルギーが枯渇しており、緊張によって伸張性を失っています。スポーツに仕事に、アクティブな生活を送っていて、しかも時間のない方たちにこそ、コンディショニングデバイスの活用をお勧めしています」
取材・文/大田原透 撮影/小川朋央 ヘア&メイク/天野誠吾
初出『Tarzan』No.834・2022年5月26日発売