にんにくは、やはり臭うものだ。
〈ダイセル〉は、にんにく由来の希少成分である「S-アリルシステイン」を機能性表示食品素材として届出し、8月17日に消費者庁に受理された。
S-アリルシステイン(SAC)は強い抗酸化作用があるアミノ酸の一種で、睡眠の質を向上したり、疲労感軽減やNK(ナチュラルキラー)細胞を助ける働きがあることが国内外の研究機関で突き止められている。
にんにくにごく微量含まれ、熟成する過程で増えるという希少成分だ。
これまでに熟成にんにくエキスを機能性関与成分とした機能性表示食品が受理されている例はあるが、S-アリルシステインはあくまで指標成分のひとつだった。関与成分とは医学的、栄養学的にその効果の根拠が明らかになっていて、摂取量が適切に設定されているものを指す。
にんにくに含まれる成分として、血栓の成長を遅らせる「メチルアリルトリスルフィド(MATS)」やがん細胞の増殖を抑制する「ジアリルトリスルフィド(DATS)」などがよく知られるところ。
にんにくエキスで言えば、これらの成分を含んだエキス全体としての科学的根拠は得られているが、特定の成分のみで機能性の全てを説明することはできない。S-アリルシステインのみで機能性に関与していることは示されていなかったのだ。
それが今回、同社のS-アリルシステインが単独で機能性関与成分として認められ、今後その機能性表示食品が登場することになるというわけだ。
これにより同社はサプリメントメーカーへ素材販売を本格的に開始。今後、S-アリルシステインでの疲労回復を訴求した機能性表示食品は増えていくことだろう。
1990年代にアメリカで行われた、がん予防の可能性がある食品を一覧にした「デザイナーフーズプログラム」。その頂点に位置している食品がにんにく。その健康への効果の秘密は、あのニオイだということもわかっている。
機能性表示食品にしかと現れたワード。健康へのニオイはぷんぷんだ。