“教え魔”以外にも注意! 心地よく鍛えるための「ジムマナー川柳」
もちろん、そんな人ばかりじゃないけれど、ジムにいると目を引くマナーの悪い人。ともに長年ジム通いを続けるプロトレーナー・シンジと、『ターザン』ライター・ケンジが日頃の思いを胸に川柳をものします。
取材・文/井上健二 イラストレーション/亀川秀樹
初出『Tarzan』No.811・2021年5月27日発売
詠み人
ケンジ 快適なジムライフには最低限のマナーは必須!
シンジ マナーといっても、なにも難しいことじゃない。ジムは時間と場所を他人と共有する公共の場所。まずは何かを使ったら、元に戻すのが基本中の基本ですね。
ケンジ 自分に合わせて調整したマシンのシートの高さや、ウェイトを可変するピンとかですね。
シンジ 汗はもちろん、シートやグリップなど触れた部分をキレイに拭くことも大事。コロナ以降、感染拡大予防上でも欠かせないマナーです。
ケンジ ジムでもスマホマナーが問題になるケースが増えました。
シンジ 歩きスマホじゃなくて、鍛えスマホですね(笑)。
ケンジ 先日、セット間の休憩中にシートに坐ってスマホで長々とゲームしている人を見かけて、うんざりしました。ゲームなら自宅でやってほしい。
シンジ インターバルの上限は約2分。スマホを使っていなくても、それ以上空けるときはマシンを離れるのがルールです。必要な人がいつでも使えるように、電車の優先席をつねに空けておくのと同じ理屈ですね。
ケンジ ボク調べですが、スマホで音楽を聴きながら鍛える人には、ガチャン、ドスンと大きな音を立てる人が多い気がする。
シンジ 耳が塞がると、どれだけ騒音を出しているのか、わかりにくいんでしょうね。音を立てずにウェイトをコントロールしながら鍛えた方が効果的なのに。
ケンジ あとジムで見かけるのは、ストレッチエリアでダンベルトレする人!
シンジ 危ないですね。裸足になるエリアでダンベルを落としたら、怪我をする恐れがある。ダンベルはフリーウェイトエリア内で使うもので、基本的に他のエリアに持ち出してはいけません。
ケンジ フリーウェイトを使わなくても、マシンだけで十分鍛えられますしね。
シンジ マシンエリアと違い、フリーウェイトエリアでは、不思議な人を見かける確率が高い。私は、バーベルを剣道の竹刀のように使い、素振りをしている人を見かけたことがあります。
ケンジ ヤバすぎ。ダンベル握ってシャドーボクシングする人は、ボクも見たことがあるけど。
シンジ 自分のトレーニング中にジム内で人を注意することはめったにありませんが、さすがに“バーベル竹刀おじさん”には、「危ないですから、やめてください」とお願いしました。
ケンジ ジムトレ達人のシンジさんですら、他の人を注意することはあまりないんですね。
シンジ それはジムのスタッフの仕事ですからね。ヘタに声をかけると、トラブルの元にもなりかねない。電車内と同じでよほどのことがない限り、直接注意するのは避けるべきです。
ケンジ ボクはジムトレ中、何度か注意というか、勝手にアドバイスされたことがある。
シンジ どんな気分でしたか?
ケンジ 正直言うと、「放っといてください」ですよね。ボクのやり方がベストとは思いませんが、真に受けるわけにもいきません。
シンジ “迷惑系”トレーニーの一種ですね。親しげに声をかけてくる人もいますが、基本的に「見ざる、言わざる、聞かざる」で無視した方がいい。音楽を聴きながらだと、無視しやすいのが利点。フォームチェックは、トレーナーにお願いしましょう。
ケンジ これまたボク調べですが、マナーの悪い人はジム通いが続かない。「この人、酷いなぁ」と呆れてしまう人は、だいたいそのうち顔を見なくなる。
シンジ マナーがわからない人はトレーニングも正しくできず、効果が得られないままやめちゃうんでしょうね。マナーの悪い会員が類友を呼び込んで増える恐ろしいケースもあります(苦笑)。
ケンジ スポーツマンシップじゃないけど、ジムに通う人はジムマンシップを守って鍛えてほしい。
シンジ 同感。じゃ、久しぶりに一緒にジムりますか。