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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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私たちが子供の頃に慣れ親しんだ“かくれんぼ”。実は、競技としても存在していることをご存知だろうか。日本選手権はもちろん、世界選手権も行われているれっきとしたスポーツなのだ。大人たちもハマるマイナースポーツ“かくれんぼ”の全貌を日本かくれんぼ協会代表理事の高山勝さんに教えてもらった。
「かくれんぼ」を初めてやったのはいつですか? そう聞かれて明確に答えられる人は、おそらくほぼいないだろう。そのくらい“日本の幼少期の遊び”として馴染んでいるかくれんぼだが、実は平安時代以前からの歴史があるという。
「現代の一般的なかくれんぼは、中国の宮廷内で行われていた“迷蔵”と呼ばれる遊戯がルーツと言われています(諸説あり)。日本には、平安時代以前に伝来し、最初は、山に女性が隠れ、恋人の男性が探しに行くという遊びだったようです。それから、現在の子供の遊びとしてのかくれんぼが、全国的に広がったのは江戸時代と言われています」(高山さん)
そんなかくれんぼ、日本で遊ばれているルール以外でも世界では遊ばれている。
「僕たちが遊んでいたかかくれんぼは、鬼が1人、隠れる側はその他大勢。隠れている人が鬼に見つかったら終了というルールで、これはスタンダードかくれんぼ(Hide and Seek)と呼ばれています。
他に、もういいよ(MOIYO)、逆かくれんぼ(Hide and Seek Reverse)という種類があり、カンケリ(Kik Can)、ケイどろ・たんてい・どろけい(Police and Their)もかくれんぼの一種なんです。日本ではあまり馴染みがありませんが、代表は誰だ?(Who is the Leader)、靴隠し(Hidden Shoes)という遊び方もあるんです」(高山さん)
そんな歴史と種類がある「かくれんぼ」。実は「かくれんぼ世界選手権」という大会が存在する。世界で唯一のかくれんぼの国際競技会だ。
イタリア北西部のコンソーノ村というゴーストタウンが会場で、2010年に初めて開催された。2017年大会は世界各国80チームが参加、優勝チームには葉っぱの形をした金メダルが送られる。
世界選手権にも参加した高山さん。大会では、日本のかくれんぼとは少し違うルールがあるという。
「基本的なルールは、私たちが遊んだかくれんぼのルールと同じです。それに、カンケリのルールがミックスしたようなイメージ。カンの代わりにフィールドの中央にマット(ホームベースと呼ばれる)が置いてあります」(高山さん)
大会側が用意した鬼1人VS子(隠れる側は各20チームの代表選手20人)という構図で競い合う。なので、参加プレイヤーは全員隠れる側なのだ。
「それぞれ異なる色のビブスを着用し、鬼が子を見つけた場合は、ビブスの色を申告します。子は、見つからずに中央のホームベースにタッチできると得点です」(高山さん)
鬼の視界から消え、いかに素早くマットにタッチし、得点を稼げるかが肝となる。得点しなければ勝てないので、子はできる限り鬼に近い場所に隠れ、近づくためにどんなルート選びをするかが重要だ。
大会のフィールドは、開催地となった自治体が用意するのが一般的。民家がある場所だったり、草原だったりさまざまなロケーションが用意される。
「場所によって作戦や隠れる位置を考えなければなりません。リスク覚悟でできるだけ早くホームベースに向かうか、安全に様子を見ながら得点を重ねるか、状況判断がものをいいますね。
ちなみに、ビブスを一番外側に着ていれば、変装してもOKです。観客に紛れるのも可能ですよ。誰でも参加できますが、体力と瞬発力があると有利ですね」(高山さん)
幼少期に親しんだ遊びとはガチ度がひと味違うこの競技。高山さんの話を聞いていると、実際に自分も参加したくなる。
「日本かくれんぼ協会主催の大会を各地で開催しています。森で行うサバイバルかくれんぼや親子向けなど、ルールを調整して誰でも参加できるように工夫しています。世界選手権に向けての日本選手権もあるので、ぜひ、興味を持っていただきたいです!」(高山さん)
誰しもが一度は経験したかくれんぼ。大人になった今、仕事のストレスを忘れて、童心に帰りながら思いっきり遊んでみたい。
取材・文/菅野茂雄