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野口啓代のしなやかな腹筋を作る、妥協なきトレーニングの全て
東京2020オリンピックでの引退を表明した、プロフリークライマーの野口啓代選手。自分史上最高のパフォーマンスを目指し、均整の取れたカラダに、さらに磨きをかける。
取材・文/宮田恵一郎 撮影/内田紘倫 ヘア&メイク/宮本佳和 撮影協力/バックグラウンズ ファクトリー
初出『Tarzan』No.808・2021年4月22日発売
ボルダリングW杯で初優勝した10代の頃からスポーツクライミングの頂点に君臨し続ける、野口啓代選手。「コアを安定させれば、どんな体勢でもバランスが崩れない」という言葉通り、腹筋を軸にした体幹の筋肉が、野口選手のパフォーマンスを支えている。
「重力に逆らい壁を登っていくスポーツクライミングにおいて、いかに安定したポジションから次の動作に入るかが、競技の生命線です。その動きの要となるのが、体幹です。きちんと腹圧を入れて常にカラダの軸を安定させることで、どんな苦しい体勢でも思い通りに手足をコントロールすることができます」
腕力だけに頼らないコアへの意識が、重力を感じさせずにスイスイと登る野口選手の軽やかな身体操作に繫がっている。
「もうひとつ大事にしているのが、壁に張り付いている時の感覚です。毎日、壁を登っていると、カラダが軽い、重いといった感覚が日々違います。カラダの状態によってパフォーマンスの波が出ないように、自分のカラダの変化を敏感に察知し、それを調整する能力も大切。自分の良い状態のイメージをしっかりとカラダに叩き込んでおくことも、コンディショニングのひとつと捉えています」
より早く遠くに手が届く、新しい感覚が身についた。
この感覚をさらに研ぎ澄ますために、ここ1〜2年で本格的なフィジカルトレーニングを取り入れるようになった。
「ウェイトを中心としたフィジカルトレーニングで、集中的にカラダの各部位を刺激し、これまで意識できなかった筋肉の動きも敏感に察知できるようになりました。これは壁を登る練習だけでは身につかなかった感覚です。足からコア、そして腕へと、力を連動させていく動きの一体感を、今はカラダに叩き込んでいるところ。これが無意識にできるようになれば、クライミングのひとつひとつの動作で無駄がなくなり、よりしなやかでパワフルな動きに繫がると思う」
昨年5月、更なる高みを目指し、自宅に新たなトレーニング環境を整えた。そして、結果はすぐに実を結ぶ。伸び代を実感するように『スピード・ジャパンカップ』(今年3月開催)では、公式ベストをマークし、初制覇。
「コアと下半身を中心に身体連動がよりスムーズになったことで、自分のイメージよりもさらに、速く、高く、登れている感覚があります。私の弱点だったスピード種目も、今なら自信を持って挑める。東京オリンピックで競技を引退します。スピード、ボルダリング、リードの総合ポイントで争われるオリンピックでは3種目すべてにおいて自分が納得するクライミングができるように、直前まで身体連動のスキルを高めていきたいです」
この1年でカラダと動きにさらに磨きがかかった野口選手。オリンピックまで、その進化は続く。大舞台でどんな姿を見せてくれるか、楽しみに待ちたい。
〈THE NORTH FACE〉が考える、クライマーのためのユニフォーム。
スポーツクライミング日本代表チームを影で支えているのが、〈ザ・ノース・フェイス〉が開発した、クライミングに特化したユニフォーム。2005年から、新モデルを開発する度にトップアスリートへのヒアリングを行い、選手と開発者の二人三脚で取り組んできた。
一見、陸上のトラック競技のユニフォームと変わらないデザインに見えるが、壁に張り付くと、その機能は歴然。
「素材の選定だけでなく、競技時のアスリートの細かな動きや筋肉の活動を解析し、競技中における動きから平均姿勢を算出。この平均姿勢をウェア設計の基本となるニュートラルなポジションと考え、パターン設計に落とし込みました」とプロジェクトマネージャー、後藤太志さん。
その着心地は、一切ストレスを感じない、限りなく裸に近い着心地と選手たちに言わしめるほど。
クライマーにとっては、ユニフォームが壁に擦れるピリッという音もストレス。“ユニフォームが引っかかったかも…”と一瞬の迷いや不安が生まれてしまうという。繊細なスポーツクライミングにおいては、これが命取り。パフォーマンスをサポートする適材適所の素材使いに加え、クライマーの精神面まで負担を欠けないよう配慮されている。
いよいよ、晴れの舞台でお披露目される〈ザ・ノース・フェイス〉の新ユニフォーム。日の丸を背負っているのは、選手だけじゃない。人間離れしたアスリートのポテンシャルを引き出すユニフォーム。その勇姿をとくと見届けよう。