「僕の滑りは足まわりの感覚がキモ。ボードとシューズは“命”なんです」プロスケートボード選手・池田大亮
text: Kai Tokuhara photo: Yoshio Kato illustration: Shinji Abe
初出『Tarzan』No.798・2020年10月22日発売
東京五輪の新種目「スケートボード」。その注目株の一人が20歳の池田大亮選手だ。現在は出場権獲得を目指して拠点の新横浜スケートパークで技を磨く日々だが、そのストイックぶりが練習で使い終わったばかりのスケートボードとシューズから滲み出る。
まずスケートボード。国内ブランド〈HIBRID〉のデッキはかなり使い込まれているように見えて、実はこの日の練習でおろしたばかりというから驚きである。
「最近はずっとこのモデルですが、1日5〜6時間は練習するため2週間くらいでボロボロになって新品に替えます。運が悪いと1日で折れちゃうこともありますので、常時30本くらいはストックしてますね」
ディテールにもかなりこだわっている。
「僕のライディングは板を弾くスピードが速いのでこういうノーズとテールの反りが少ない板が合いますし、また地面をキャッチする感覚を大事にしたいのでトラック(ボードとウィールを繫ぐ金具)はあえて重めにしてあります。これが軽すぎると回転技の時に回りすぎちゃったりもするので」
そして《ナイキ SB》のシューズも、使い始めて1週間にもかかわらず紐がちぎれるほど履き込まれているのが印象的だ。
「これはグラント・テイラーというスケーターのシグネチャーモデルですが、履き始めからフィット感がとても柔らかく、ソールもがっしり板を摑んでくれるので本当に履きやすいんです。このシューズもボードも自分のスケボーライフになくてはならないもの。まさに命のような存在です」