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Vol.1 大胸筋を鍛える一流のPOFトレ:体重を増やさず鍛える10回×3セット
軽いウェイトを挙げている隣のヤツがいいカラダなのはなぜか。違いを分けるのは、伸長と収縮だ! バズーカ岡田こと、岡田隆先生に教わるPOFトレ。今回は「大胸筋」を鍛える。
「POF」ってなんだ?
頑張っても体型が変わらない。そんな悩みがあるなら、ボディビルダーであり骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名をとる日本体育大学の岡田隆准教授の告白に耳を傾けよう。
「僕は柔道の補強として筋トレを20年ほど続けた後、ボディビルの大会に出た。カラダをデカくしようと努力したけど、20年の積み重ね以上に大きくならない。そこで注目したのは大きさではなく形。以来体重は70kg前後のままですが、筋肉の形が良くなってコンテストの順位は着実に上がっています」
形を変えるため先生が取り組んだのが「POFトレ」。POFは「Position of Flection」の頭文字で、伸縮範囲で種目を変える手法だ。
「筋トレは最大伸張から始め、中間位(ミッドレンジ)で最大限の力を出し、最大収縮すべき。このように“美味しい可動域”を全部通過するのが理想ですが、1種目で実現するのは大変。そこで(1)伸ばす種目、(2)力を出す種目、(3)縮める種目と分けるのがPOFトレです」



体操選手の肉体は僕らの憧れだが、それは彼らが最大伸張と最大収縮を繰り返すから。そこにミッドレンジを加えると鬼に金棒だ。黄金ルールは10回×3セット。でも、岡田先生はこう助言する。
「最大伸張と最大収縮では細かいフォームが大事。1セット15回が限度という軽めの負荷で行い、そのうち12回正しくできたら合格。より高負荷で鍛えるミッドレンジでは1セット10回が限度というやや重めの負荷で行い、そのうち8回できたら合格と考えましょう」
POFで“大胸筋”を鍛える。
上半身の見た目を大きく左右しているのは、胸の大胸筋。それだけに伸ばす種目と縮める種目でフォルムを整えるだけで満足せず、ミッドレンジ種目でバルクもきちんと出しておきたい。
伸ばす種目は、ダンベルフライ。「息を胸いっぱいに吸って胸郭を広げてやると、大胸筋はよりストレッチしやすくなります」
縮める種目は、シングルハンドのケーブルフライ。肩甲骨を背骨から離す外転を行うと、大胸筋の強い収縮が得られて効果的だ。
ミッドレンジ種目は、ダンベルプレス。可動域を意識しすぎると大きな負荷がかけられないため、筋肥大が効率化しにくい。可動域を多少犠牲にしてでも、重たいウェイトにチャレンジし続けよう。
(1)伸ばす:ダンベルフライ(10〜15回×3セット)
(2)縮める:シングルハンド・ケーブルフライ(10〜15回×3セット)
(3)大きな力を出す:ダンベルプレス(10〜15回×3セット)
PROFILE

取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 スタイリスト/山内省吾 ヘア&メイク/天野誠吾 監修/岡田隆(日本体育大学准教授)
(初出『Tarzan』No.773・2019年9月26日発売)